選定理由 |
分布域の一部において個体数が減少しており、種の存続への圧迫が強まっていると判断される。 |
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形態の特徴 |
体長7mm前後の甲虫で、褐色で櫛状の触角をもち、爪に歯がある。一見ナガハナノミ科のクリイロヒゲナガハナノミに似るが体は硬い。 |
生息環境 |
本種は採集記録が少ないため詳しいことはわかっていないが、当県ではブナの原生林に生息していることが確認されている。 |
生態 |
薄暮性ないしは夜行性で、灯火に飛来したものが採集されている。 |
分布状況 |
日本固有種。1982年に栃木県で雄1頭が発見され、その後2000年と2004年に県内で雄1頭ずつが飛騨地域で確認された。この3頭が現在知られるすべての標本で、雌は未発見である。 |
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減少要因 |
本種の採集例が少ないためよくわからないが、ブナ林が開発や大規模な伐採で減少したことも一因と考えられる。 |
保全対策 |
ブナ原生林を保全する。特に大規模伐採を避けることが重要と思われる。 |
特記事項 |
ヒゲコメツキダマシ科の種としてはアジアで唯一の種である。同属の種がヨーロッパに1種、北米に2種分布するだけの小属で、生物地理上注目される種である。 |
参考文献 |
佐々治寛之他(2005)ヒゲコメツキダマシの再発見.月刊むし(415):43-44 |