| 選定理由 |
分布域の一部において生息条件が悪化しており、種の存続基盤が脆弱と判断される。 |
 |
| 形態の特徴 |
翅の長さ30mm前後のトンボである。体の色は金緑色で翅のつく胸部は黄褐色の長い毛が密生する。腹長は35mm前後である。 |
| 生息環境 |
山地帯〜亜高山帯下部の山間湿原に生息する。抽水植物が繁茂する池沼や湿原の植物性沈積物が多い滞水などに見られる。 |
| 生態 |
成虫は6〜8月頃出現する。羽化直後の若い個体は羽化水域から離れるが、かなり遠方まで分散する。成熟した雄は抽水植物の繁茂した池岸に縄張りを形成して生活する。幼虫は抽水植物の茂みの間や水底の沈積物の陰などに潜んで生活する。 |
| 分布状況 |
北海道、本州の山岳地帯に分布する。国外では朝鮮半島北部、中国東北部、シベリア東部、サハリンに分布する。県内では飛騨地方の高山市高根町、美濃地方の郡上市白鳥町などに確認記録がある。 |
 |
| 減少要因 |
山間の池沼や湿原の減少による。本種の生息する山間の池沼や湿原は平坦地でもあり改変されやすい。また、湿原周辺の樹林伐採による土砂流入、水源の枯渇や水温上昇などで生息場所の環境が悪化している。 |
| 保全対策 |
生息環境となる池沼や湿原の保全に配慮が望まれる。その場合、生息場所の環境が悪化しないよう、湿原周辺の樹林も含めて保全するような配慮が必要である。 |
| 特記事項 |
|
| 参考文献 |
|
