形態の特徴 |
翅を広げた大きさは38mm前後の蛾である。成虫は、全体的にやや薄い茶褐色の地色である。前翅には白みがかった部分が内側や前縁に広がり円形、楕円形の紋がある。 |
生息環境 |
高山帯にのみ生息する「高山蛾」である。高山帯でも高標高の地点に限られ、森林限界付近まで降りると確認することができない。 |
生態 |
食草を始め、詳しい生態はわかっていない。森林限界付近では見られず高標高の高山帯のみに出現する。成虫は7月〜8月に出現し、遅い時間帯に光に飛来する。 |
分布状況 |
本州に分布する。飛騨山脈の高山帯に分布するが、生息地は限定される。県内では乗鞍岳に確認記録があるのみで分布域の限定される種である。 |
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減少要因 |
高山草原への立ち入り、帰化植物の侵入、酸性雨などによる生息環境の悪化などが考えられる。 |
保全対策 |
生息環境の保全と温暖化の防止が必要である。さらに、生活史を解明し適切な保全対策をとる必要がある。 |
特記事項 |
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参考文献 |
- 船越進太郎(1998)乗鞍岳の蛾類.誘蛾燈153:81-99
- 船越進太郎・宮野昭彦・鈴木俊文・近藤宗由(2007)2007年8月下旬,乗鞍岳高山帯における鱗翅目昆虫の個体数調査.やどりが215:6-11
- 船越進太郎・宮野昭彦・鈴木俊文・山崎美恵(2009)2008年7月中旬・8月下旬の乗鞍岳高山帯における鱗翅目昆虫の個体数調査、生息状況解析について.やどりが219:9-18
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