形態の特徴 |
翅を広げた大きさは40mm前後の蝶である。翅の色は淡褐色で後翅裏面にモザイク状の模様がある。 |
生息環境 |
本州中部の飛騨山脈と八ヶ岳の高山帯の尾根付近に限って生息し、ハイマツの生える緩やかな砂礫地に生息する。 |
生態 |
成虫は6月下旬〜7月下旬頃に出現する。地面に静止していることが多いが、敏感で人が近づこうとするとすぐ飛び立つため、近くで観察することは容易ではない。幼虫の食草はカヤツリグサ科のイワスゲ、ヒメスゲなどである。幼虫で2度越冬し足かけ3年で成虫となる。 |
分布状況 |
国内では北アルプスと八ヶ岳の高山帯上部に分布しそれぞれ別亜種とされる。国外ではヨーロッパ、、アジアから北アメリカにかけての北部や寒冷帯に分布する。県内では西穂高岳から北ノ俣岳にかけて分布し笠ヶ岳にも記録がある。 |
|
減少要因 |
県内の生息地は山頂付近の限られた狭い稜線付近であり、登山者が多い。踏み荒らしによる食草の消失や成虫の活動域の縮小などが考えられる。 |
保全対策 |
生息地の全てが国立公園内であり急速に環境が変化することはないと思われるが、生息域は高山帯の尾根筋付近に限られるため、登山道以外へ立ち入らないよう配慮すべきである。 |
特記事項 |
|
参考文献 |
- 西田眞也、岐阜県の蝶
- 信州昆虫学会、信濃の蝶
- 藤岡知夫、日本産蝶類大図鑑
|