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カラスシジミ

カラスシジミ Strymonidiaw-albumfentoni(Butler) 絶滅危惧II類
  チョウ目シジミチョウ科
選定理由 大部分の生息地で生息条件が明らかに悪化しつつあり、個体数が大幅に減少している。 写真を拡大表示します
形態の特徴 翅を広げた大きさ25mm前後の蝶である。翅の表面は黒褐色、裏面は淡い茶褐色である。後翅の端に橙色の斑紋があり、尾状の突起がある。
生息環境 丘陵帯上部〜山地帯の落葉広葉樹林に生息する。林縁部を好み渓谷沿いのガレ場付近に多い。
生態 成虫は6月下旬〜7月に出現し、ヒメジョオン、アザミ類などの花で吸蜜する。日中は樹木の梢上で活動するが朝や曇った日には低い場所に静止していることが多い。幼虫はハルニレなどニレ類及びスモモなどバラ科樹木を食樹とする。県内の集落周辺ではスモモを食樹としていることが多い。卵で越冬する。
分布状況 北海道、本州、九州に分布する。国外では朝鮮半島、中国東北部、サハリン、ヨーロッパなどに分布する。県内では飛騨地方の高山市奥飛騨温泉郷、同市高根町、同市丹生川町、飛騨市河合町、美濃地方の本巣市根尾などに確認記録がある。 分布情報図を拡大表示します
減少要因 食樹のハルニレは沢筋の湿潤で肥沃な場所に見られるが、防災堰堤や道路開設などにより消失している。
保全対策 道路建設や開発工事などで生息地が破壊されることがあれば、食樹の移植などニレ類やバラ科樹木の保全に配慮が望まれる。
特記事項  
参考文献
  • 岐阜県昆虫同好会(1990)岐阜県内蝶類採集調査記録集(2)だんだらちょう別冊
  • 岐阜県昆虫同好会(1995)岐阜県内蝶類採集調査記録集(3)だんだらちょう別冊

文責:鈴木俊文