形態の特徴 |
翅を広げた大きさ33mm前後の蝶である。翅の色は橙色で前翅端に淡い黒斑がある。 |
生息環境 |
丘陵帯上部や山地帯の落葉広葉樹二次林に生息するが、畑の中に1本だけ生えているようなミズナラやカシワで発生することもある。 |
生態 |
成虫は7月中旬〜8月上旬頃出現する。夕方活動し活発に樹木の梢上を飛び回る。幼虫は半肉食性で植物体のほか、アブラムシ類の分泌物をなめるが、成長するにしたがってアブラムシ類を捕食することが多くなる。卵で越冬する。 |
分布状況 |
北海道、本州に分布する。国外では朝鮮半島、中国、シベリア東部に分布する。県内では飛騨地方及び美濃地方の郡上市、揖斐川町などに確認記録がある。当県が分布の西限である。 |
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減少要因 |
生息環境となる落葉広葉樹二次林の減少による。生息環境はいわゆる"里山"と呼ばれる地域にあり、現在では利用価値がなくなったため伐採されたり、針葉樹植林に転換されたり、現存する林も放置され薮化するなど林の環境が急激に悪化している。 |
保全対策 |
本種の生息環境となる二次林は、そのまま手をつけずに保全するよりもむしろ間伐や林床の下草刈りなど積極的な環境管理が必要である。 |
特記事項 |
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参考文献 |
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