形態の特徴 |
翅を広げた大きさ約35mmである。雄の翅表は光沢のある暗紫色、雌の翅表は茶褐色で、前翅に白紋が現れる個体もある。裏面は雌雄ともに淡褐色で黒褐色の斑紋が多く並ぶ。 |
生息環境 |
低山地帯のコナラ低木を主とする疎林や林縁部の草地または裸地に生息する。幼虫時代に共生するクロオオアリが生息することが必須条件である。 |
生態 |
成虫は6月〜8月に出現し、雄は樹木の梢を飛び回るが、草の上などで静止していることも多い。雌はアブラムシ類の多い樹木や草に産卵し、孵化した幼虫はアブラムシの分泌物をなめて成長し、やがてクロオオアリにくわえられてアリの巣の中に入りアリから分泌される蜜をもらって成長する。アリの巣の中で幼虫越冬する。 |
分布状況 |
本州、四国、九州に分布する。国外では朝鮮半島、中国に分布する。県内の確実な記録は、越美山地の一部および東濃地域の一部に限られるが、全体像が依然明らかではない。 |
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減少要因 |
生息環境は茅場などとして定期的な草刈りにより維持されてきた二次草地や疎林であることが多いが、こうした場所は生活様式の変化に伴い開発されたり、植林化・放置化などで植生が変化し、本種や共生するクロオオアリの生息環境として適さなくなってきた。 |
保全対策 |
本種やクロオオアリの生息環境となる疎林を交えた二次草地を維持するために、草刈りや除伐など適度な人為的管理が必要である。 |
特記事項 |
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参考文献 |
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