形態の特徴 |
翅を広げた大きさ約35mmの蝶である。雄の翅表は金属光沢のある緑色、雌は黒褐色で橙色、青紫色の斑紋の現われ方の組み合わせで4型に分かれる。後翅端に尾状突起がある。 |
生息環境 |
食草ハンノキの自生する湿地に群れをなして生息することが多いが、山地では必ずしも湿地に生息するとは限らない。 |
生態 |
成虫は、低地では6月上中旬、山地では7月上旬頃出現する。昼間は不活発だが、夕方になると活発に活動し、雄は占有性を現し、占有領域に入ったものを激しく追飛する。越冬態は卵である。卵は食草のしわの部分などに1〜2個、太い幹では十個以上まとめて産み付けられる。 |
分布状況 |
北海道、本州、四国、九州および周辺離島に分布する。国外ではロシア極東、朝鮮半島、中国東北部に分布する。県内では、ほぼ全域に生息地が知られる。 |
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減少要因 |
本種は低地においては食草となるハンノキが生育する湿原を生活圏としており、開発や乾燥化などによりこのような特殊な環境が失われてきたことによる。山地においては、ハンノキが必ずしも湿地に生育しているとは限らないので、本種も低地に比べれば減少の度合いは緩やかである。 |
保全対策 |
低地においては食草ハンノキが生育する湿地という特殊な環境に限定されるため、一度失われてしまった環境は復元が容易ではない。大きな打撃を受ける前にこのような環境の保全対策を施すことが望まれる。 |
特記事項 |
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参考文献 |
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