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タカネキマダラセセリ

タカネキマダラセセリ Carterocephaluspalaemonsatakei(Matsumura) 絶滅危惧II類
(環境省:準絶滅危惧) チョウ目セセリチョウ科
選定理由 大部分の生息地で生息条件が明らかに悪化しつつあり、個体数が大幅に減少している。 写真を拡大表示します
形態の特徴 翅を広げた大きさ30mm前後の蝶である。翅の色は茶褐色で黄褐色の斑紋がある。裏面には黄褐色の斑紋が見られる。
生息環境 亜高山帯の樹林周辺の高茎草原や草付き、崩壊地や急峻な崖、川幅の広い渓流沿いや低木が生い茂る小さな沢の周辺に生息する。
生態 成虫は6月下旬〜7月中旬に出現し、晴天時に草地上を活発に飛んでフウロソウ類、クガイソウなど草地の各種植物の花で吸蜜する。幼虫の食草はカヤツリグサ科のイワノガリヤスである。卵から成虫にまでに3年を要するといわれる。1年目と2年目は幼虫で越冬し、3年目に越冬から覚めて摂食することなく蛹化して羽化する。
分布状況 飛騨山脈及び赤石山脈に分布する。国外ではイングランド、ヨーロッパ、ロシア、中央アジア、シベリア、サハリン、朝鮮半島、アラスカ、カナダ、アメリカ合衆国に分布する。県内では高山市奥飛騨温泉郷での確認記録があるのみである。 分布情報図を拡大表示します
減少要因 もともと厳しい環境に生息しており、雪崩や崖崩れなどで生息地が不安定な状態である。1998年8月の北アルプス群発地震の崩落によって生息地の一部が消失した。
保全対策 雪崩や崖崩れを防げるような対策や、登山者が生息地に入りこまないようにすることが必要である。
特記事項  
参考文献  

文責:鈴木俊文