形態の特徴 |
全長45〜65mm前後になる大型の水生昆虫で、体は褐色である。前足は腕の部分が太く先には鋭いつめがある。口はセミのような細長い棒状である。 |
生息環境 |
低地〜丘陵地にある水生植物が繁茂した池沼、水田、用水路などに生息。特に本種は肉食性なので獲物が獲りやすい止水域に多い。 |
生態 |
成虫で越冬し、6月頃産卵する。卵は水面から出た植物の茎などに数十個程度まとめて産み付けられ、雄によって保護される。幼虫は8〜9月頃成虫になる。魚類やカエル類を捕食して体液を吸う。 |
分布状況 |
北海道、本州、四国、九州、沖縄に分布する。国外では朝鮮半島、中国、インドなどに分布する。県内では各務原市、可児市、関市、岐阜市に確認記録がある。 |
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減少要因 |
農薬の大量使用や生息環境となる水生植物の繁茂している池沼や水田の消失による。また、個体数の急激な減少による希少性が商品価値を生み、ペット商品としての乱獲も個体数減少の大きな要因となっている。 |
保全対策 |
農薬依存による水田管理の見直しや家庭排水が池沼、用水路に流れ込まないような工事の推進が重要である。 |
特記事項 |
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参考文献 |
原色昆虫大図鑑(III):北隆館 |