選定理由 |
大部分の生息地で生息条件が明らかに悪化しつつあり、個体数が大幅に減少している。 |
|
形態の特徴 |
体長約15cmになるナマズのような魚。口のまわりに8本のひげがある。体色は、黄褐色の地に黒褐色の大きな斑紋があり、まだら模様となっている。 |
生息環境 |
河川中流域から上流域下部の水深が50cm以上ある流れの緩やかな清流の浮き石がゴロゴロしているような平瀬から渕に生息。水生昆虫など底生動物を食べる。 |
生態 |
繁殖期は6〜7月頃といわれるが、詳しい繁殖行動について十分に研究されていない。夜行性で、昼間は川辺の石間などに隠れており、繁殖もこの隠れ場で行われる。 |
分布状況 |
日本固有種。伊勢湾・三河湾に注ぐ河川の中流域に限定して分布。県内では木曽三川の中流域に生息地が点在してみられる。 |
|
減少要因 |
河川改修などによる河床の平滑化やツルヨシ群落など水辺の植生帯の消失。工事に伴う土砂流入による空隙(くうげき)の閉そく。また、清流に生息する種とされ生活排水流入などによる水質悪化も減少要因として挙げられる。 |
保全対策 |
隠れ場、繁殖場となる空隙の多い浮き石帯の保全・創出に配慮が望まれる外、水辺のツルヨシ群落などの植生帯創出にも可能な限り配慮したい。 |
特記事項 |
国指定天然記念物。本種によく似た種類として県内には琵琶湖産アユの種苗に混じって移入されたギギが生息しているが、体型はネコギギよりスマートで尻びれの軟条数が多いことで区別できる。 |