選定理由 |
既知のすべての生息地で生息条件が著しく悪化しており、個体数が危機的水準まで減少している。 |
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形態の特徴 |
全長10cm前後の小型のサンショウウオ。体は褐色で黒褐色斑が密にある。また、尾の上下の縁に黄条があることが多いのが特徴。 |
生息環境 |
おおむね標高300m以下の丘陵地の落葉広葉樹林・竹林などに生息し、山間の水田脇の溝やわき水のたまり水などの止水で繁殖する。 |
生態 |
繁殖期はおおむね早春。県内の生息地では3月下旬頃に山間湿地などで卵塊が確認される。卵塊はバナナ状で大きく湾曲しているのが特徴。成体は樹林の落葉下や腐植土中で生活しており発見しにくい。 |
分布状況 |
日本固有種。岐阜県以西の本州、四国の瀬戸内海沿岸、九州北西部など西日本に分布。本県は分布東限。県内での生息地は美濃地方の丘陵地に限定しており、現在のところ確実な生息地は岐阜市及び谷汲村のごく限られた場所しか知られていない。 |
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減少要因 |
"里山"の半自然的な場所を生息環境とする種で、このような場所が急激に減少している。また、繁殖場となる山間の水田は耕作を休止した所が多く、乾燥化により消失している。 |
保全対策 |
生息環境として繁殖場となる止水域と成体の生活場となる樹林といった複合した環境が必要条件。 |
特記事項 |
亜種のトウキョウサンショウウオが愛知県に分布しており、環境省レッドリストで絶滅のおそれのある地域個体群に選定されている。 |