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土岐市連合自治会

 

「土岐市連合自治会」へアドバイザーを派遣しました

   土岐市連合自治会は、土岐市内各町の連合区会及び区長会等相互の連絡調整を図り、各自治会の円滑な運営を促進し、住民生活の安全を図ることを目的としています。自治会では、女性の参加が少ない上に一部の地域では女性の会が解散しており、自治会において女性の意見が乏しい現状が課題となっています。
 同連合自治会では、男女共同参画に関する取組が重要であるとの考えのもと、令和7年11月19日に、男性ばかりの自治会役員の中にどうしたら女性が参加してもらえるかなどを学ぶための研修会を開催しました。

 「ぎふ地域の絆づくり支援センター」では、「岐阜県地域の課題解決応援事業」により、この研修会の講師として、恵那市男女共同参画プラン推進委員会 会長の坪井弥栄子 氏を派遣しました。

  当日は、土岐連合自治会会員等 36名が参加し、「『地域活動における男女共同参画』ー男性も女性も少しの勇気と行動を!ー」と題し、講演が行われました。

主な講演内容

 〇これまでの男女共同参画の活動について                    

 自治会などでも、役員は男性が多い中、恵那市で自治区会長を女性として初めて務め、その後、市の審議会委員等も務めるなど男女共同参画を推進している。これまでの活動の背景には、明治生まれの父親から物心ついた時に「男性も女性も関係ないでね。」と言われたことと、結婚して出産と同時に仕事を辞めようか悩んだ時に、ご主人に「子育ては、2人で出来るから、仕事を続けたほうが良いよ。君と私とは常に対等な立場で居たい。」と励まされて仕事を続けたことにある。また、今の自分があるのは父親と夫、それから家族、そして周りの人たちの協力のお陰である。

 地域と深く関わるようになったのは、19年ほど前に地域の自治会の会計を依頼された時からとなる。当時、恵那市の男女共同参画のリーダーに就任していた御縁で、依頼を引き受けた。その後、三郷町自治連合会の監事、三郷町まちづくり委員会の福祉部会と人口減少部会の部長、さらに会長を兼務され、三郷地域自治区会長、恵那市地域自治区会長会議副会長など多くの役職に就いた。
 また、平成30年には内閣府男女共同参画局主催の全国女性自治会長情報交換会に、岐阜県の代表として参加するなど、率先して男女共同参画を実践してきた。

 三郷町まちづくり委員会での経験により、地域へ女性が出て行くことの大切さを感じることが出来た。いろいろな会議に出席する中で、地域活動の問題についても、組織の中に女性が入ることによって違ってくる。地域の会議で発言ができる人は、別の会議でも発言が出来ている。
 女性の視点は、男性と違うところを持ち合わせているため、これからは、女性のリーダーが女性の目から見た地域で気がついたことを、ぜひ公の場で発信してほしい。

​​〇地域活動における男女共同参画のあり方

男性ばかりで役員を決めるのではなく、女性も中に入れて役員を決めること。
これからは、女性が出来るのに、男性だけでの役員の決め方は絶対にしてはいけない。
地域活動における男女共同参画のあり方は、「言うは易し、行うは難し」の課題である。
多くの地域で、まだまだ「男性は主に仕事、女性は仕事と家庭」という認識があり、役割分担意識があるように思われる。

​ 令和7年1月に恵那市が行った「男女共同参画に関する市民意識調査」の結果からは、地域活動や社会参加について女性の社会進出が進みつつあるが、町内会や自治会の代表者、審議会や委員会議員などには女性が就任することが少ないことが読み取れる。

「地域活動などの企画や方針決定過程への女性の参画が少ない理由は何だと思いますか」との質問に対して
・男性優位の組織運営。
・女性が参加しにくい時間帯に会議等が設定されている。
・女性の側の積極性が充分でない。
・家族の支援・協力が得られない。
・家庭・職場・地域における性別役割分担や性差別の意識。
 などの意見が挙げられている。
 また、男女別のデータから見ても、答えにあまり違いはなく、男女が同様に感じていることが分かる。

平成30年の「地域の女性参画拡大に向けて」の中で、女性の活躍についての議論
女性の活躍の現状について

・地域に女性の役員がいない。
・地域の会議の出席者は男性ばかりで、地域のことを知らない女性が多い。
・自治会に女性の出席者が少ないため、意見が聞けない。
・中年女性の活躍の場がない。
(子育て時代は、PTAなどのいろいろな集会や子育て関係の集まりがある。また、高齢者には老人クラブなどがあって、いろいろな処で話が出来る。しかし、中年女性には会合の場が少ない)

女性が活躍しているケースでは​

・チャレンジする女性が増えた。
・女性は、まとまる力がある。
・女性は、パワーと行動力を持っている。
・細かなところに気配りができる。
・活動の足場がある女性は、その代表として発言が出来ている。

​女性が活躍していないケースでは

・仕事と家事があることが多く時間がない。
・役員の期間さえ無事に終われば良いと考えている人も多い。
・人任せにする人が多い。

改善策として

・活動している人をPRできる環境づくり。
・小さな役員から関わりを持ってもらう。
・地域規模で、女性の役員数を増やす。
・女性リーダーを育てる。
・家事分担などをして、女性の時間的余裕を作る。
・役員等の選出方法を考える。
・周りの人の理解を深める。

「男性は譲る勇気、女性は受ける勇気」

 地域活動の多くの場合、男性がいろいろな事柄を決めて進めることが多い反面、女性は補助的な立場で、率先して関わるべきではないと遠慮してしまっている。これは、女性の責任でもある。女性も、「もしも、役員を依頼されたらやってみる」という心構えが必要である。
 現在は、男性のポストは次も男性、女性のポストは次も女性が当たり前になっている。
 今後は、男性は席を譲る勇気、女性はせっかく空けてくれた席を受ける勇気が大事。長い間、男性が担ってきた組織の中に、少しずつ女性の協力を得るというのは、男性だけのことではなく、女性も一緒に考えるべきである。
また、現在役員をやっている女性も、仲間を増やして、段々と底辺を広げていくことも重要である。一人では難しいことも、複数の女性がいることで自信が持てる、相談ができる。
 各自治会では、是非一人でも多くの女性に声をかけて欲しい。「一緒にやろう」と巻き込んでいただきたい。

今が、一番のチャンスである。

 最後に講師から、「現在、多くの職場で定年の年代が上がってきている。それにより、仕事と自治会長や各種の役職が重なってきている人が増えてきている。そういった中で、女性にポストを空けてください。女性を入れるようなポストを作ってください。そして、男性、女性が一緒になって活動する事によって、女性に自信がついてきます。そうした経験の中から、『私、今度自治会の役員やってもいいわ』という女性が現れるかもしれません。
 男女共同参画のあり方とは、答えのない難題です。どこの自治会でも、これを行ったらこの結果が出るというものではありません。でも、いろいろな話を聞きながら、男性と女性がみんなで協力をして、解決に向かって取り組むことが大切だと思っています。」とお言葉を頂いた。

 
講師 講演会の様子 質疑応答の様子
講師 講演会 質疑