形態の特徴 |
翅を広げた大きさが約35mmである。翅の表面は黒褐色で雄には銅色の光沢があり、雌は前翅の中間に灰色の斑紋がある。裏面は褐色で前翅から後翅にかけて白条がある。 |
生息環境 |
丘陵帯の落葉広葉樹林に生息する。林縁部に多く見られる。また、道路沿いのクヌギの古木などに生息することもある。 |
生態 |
成虫は6月下旬に出現し、10月頃まで見られることがある。高い木の梢上を夕方活発に活動する。幼虫は落葉広葉樹のクヌギやアベマキを食樹とする。卵は食樹の休眠芽の基部や小枝に産み付けられる。樹齢の経過した古木が食樹になるといわれている。卵で越冬する。 |
分布状況 |
本州、九州に局地的に分布する。国外では朝鮮半島に分布する。県内では恵那市串原、同市明知町、同市上矢作町に確認記録があるが、最近は絶滅したと思われる地域もあり、分布域は極めて一部の地域に限定されつつあると思われる。 |
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減少要因 |
落葉広葉樹二次林の減少による。生息地はいわゆる"里山"と呼ばれる地域にあり、食樹となるアベマキ林は、燃料材などとして利用するため維持管理されてきた。しかし、現在では利用価値がなくなり伐採されたり針葉樹人工林に転換されたりして生息環境が急激に悪化している。 |
保全対策 |
落葉広葉樹二次林は里山の自然環境を代表する植生であることから可能な限りその保全に配慮する。 |
特記事項 |
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参考文献 |
(1991)原色日本蝶類図鑑:保育社 |