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ヒメギフチョウ

ヒメギフチョウ LuehdorfiapuziloiinexpectaSheljuzhko 絶滅危惧I類
(環境省:準絶滅危惧) チョウ目アゲハチョウ科
選定理由 1970年〜1990年代は記録が少なく、また、最近記録される個体とは形態にいくつかの違いがあり、以前の個体群は絶滅したものと推定される。 写真を拡大表示します
形態の特徴 翅を広げた大きさは50mmほどの蝶で、ギフチョウに似ているが後翅外縁の斑紋の色などで区別できる。
生息環境 低地から亜高山下部までの山地の広葉樹林に生息し、早春の日当たりの良い環境を好む。
生態 成虫は年一回、本州では4月中旬〜5月中旬頃に出現し、スミレなどの花で吸蜜する。幼虫の食草はウスバサイシンである。6月〜7月頃蛹になりそのまま越冬する。
分布状況 国内では北海道から本州中部にかけて分布する。国外ではシベリア東部から朝鮮半島に分布する。県内では高山市奥飛騨温泉郷で記録がある。当県は本種の国内分布の西限とされる。 分布情報図を拡大表示します
減少要因 樹林帯の間伐や皆伐により林内の光環境が変化し、チシマザサなどが密生、繁茂する。このため、食草が減少したことや生息地の利用の仕方が変化し生息地が減少したことが考えられる。
保全対策 自然林の育成が基本であるが、危急的には密生した笹などを除去し食草のウスバサイシンの育成が望まれる。
特記事項 カテゴリーは絶滅危惧I類の位置付けであるが、近年採取される個体との更なる比較検討が重要である。
参考文献
  • 西田眞也、岐阜県の蝶
  • 信州昆虫学会、信濃の蝶
  • 藤岡知夫、日本産蝶類大図鑑

文責:榎信好