選定理由 |
既知の全ての生息地で生息条件が著しく悪化しており、個体数が危機的水準にまで減少している。 |
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形態の特徴 |
翅を広げた大きさ23mm前後の蝶である。翅の色は褐色味を帯びた黒色で前翅には細かい白点列がある。裏面は黄色味を帯びた褐色が黒色に混じり、後翅にも白点列がある。 |
生息環境 |
丘陵帯〜山地帯の草地に生息する。樹林の間の小さな草地、疎林の周辺、谷間などで見られる。 |
生態 |
成虫は6月下旬〜7月下旬に出現する。幼虫の食草はイネ科のオオアブラススキである。幼虫で越冬する。 |
分布状況 |
本州、対馬に分布する。国外では朝鮮半島、中国、アムール、台湾に分布する。県内では美濃加茂市、高山市高根町などに確認記録がある。 |
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減少要因 |
生息環境は"里山"と呼ばれるコナラ、クリなど落葉広葉樹二次林である。しかし、現在では利用価値がなくなったため伐採されたり、針葉樹の造林地に転換されたりして生息環境が悪化している。また、現存する林も放置され植生の遷移により林の環境が悪化している。 |
保全対策 |
本種の生息環境となる二次林は、そのまま手をつけずに保全するよりもむしろ除伐や草刈りなど積極的な環境管理が必要である。 |
特記事項 |
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参考文献 |
- 岐阜県昆虫同好会(1987)岐阜県内蝶類採集調査記録集(1)だんだらちょう別冊
- 岐阜県昆虫同好会(1995)岐阜県内蝶類採集調査記録集(3)だんだらちょう別冊
- 西田眞也(2003)岐阜県の蝶
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