形態の特徴 |
翅の長さ36mm前後のトンボである。いわゆる赤トンボと呼ばれるトンボの仲間で、体はあざやかな橙色をしている。 |
生息環境 |
主に低地や丘陵地のヨシなど水生植物の繁茂する、周囲の開けた大きな池沼に生息する。 |
生態 |
成虫は7〜11月頃に出現し、羽化直後の若い個体は羽化水域からやや離れた落葉広葉樹林の梢付近や草むらなどで生活する。成熟した雄は水辺の抽水植物などに止まって縄張りを形成する。幼虫は主に平地や丘陵地のヨシやマコモなど背丈の高い抽水植物が繁茂する場所で生活する。 |
分布状況 |
本州、四国、九州に分布するが、東海地方では絶滅しているものと思われる。国外では朝鮮半島、中国北部などに分布する。県内でも美濃地方の羽島市、海津市海津町、郡上市白鳥町などに確認記録があるが1977年以降の記録はない。 |
|
減少要因 |
人為活動の盛んな平野部を中心に生活するため、池沼の埋め立てや水質の悪化により減少した。生息環境として水生植物の繁茂した広い池沼が必要であるが、埋め立てなどによりこのような場所はほとんど消失してしまった。 |
保全対策 |
本種の生息には幼虫の生活場であるヨシなど抽水植物が繁茂した水湿地と羽化直後の個体が生活する落葉広葉樹林という複合した環境が必要であるため、現存するこのような環境を保全する。 |
特記事項 |
|
参考文献 |
|