選定理由 |
分布域の一部において生息条件が悪化しており、種の存続への圧迫が強まっていると判断される。 |
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形態の特徴 |
全長32-39cmのハト位の大きさの小さなタカである。体の背面は青みを帯びた灰色で、腹面は白色で橙色の斑紋が密にある。雌は雄より一回り大きい。 |
生息環境 |
丘陵帯上部から山地帯の丘陵、山地の樹林に生息する。アカマツ林や落葉広葉樹林で見られることが多い。 |
生態 |
留鳥。繁殖期は3〜7月頃である。アカマツなどの樹上に皿形の巣を作る。餌はカケスやホオジロなどの小型鳥類で、樹林内や林縁で捕食する。冬期には暖地へ移動し平地の林でも見られることがある。 |
分布状況 |
北海道、本州中部以北で繁殖する。冬季は西日本に渡る個体も多い。国外ではヨーロッパからシベリアにかけて広く分布する。県内では、高山市で確実な繁殖記録がある他、下呂市、郡上市、揖斐川町などで繁殖期に確認されている。 |
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減少要因 |
生息環境となる落葉広葉樹二次林の減少による。生息環境はいわゆる里山と呼ばれる地域にある。この環境が急激に悪化しており、主として林内で採餌する本種にとって採餌が困難な状況にあるといえる。 |
保全対策 |
本種の生育環境となる二次林は、そのまま手をつけずに保全するよりもむしろ除伐や草刈りなどの環境管理が必要である。繁殖地で開発行為を行う場合は十分な調査をし保全対策を検討する。 |
特記事項 |
御嵩町指定希少野生生物。 |
参考文献 |
- 「山渓ハンディ図鑑7日本の野鳥」(叶内拓哉・安部直哉・上田秀男、山と渓谷社、1998)
- 「日本の野鳥590」(真木広造・大西敏一、平凡社、2000)
- 「日本の鳥550山野の鳥・水辺の鳥」(山形則男・吉野俊幸、文一総合出版、2000)
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