選定理由 |
分布域の一部において生息条件が悪化しており、種の存続への圧迫が強まっていると判断される。 |
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形態の特徴 |
全長50-55cmのカラス位の大きさである。体の背面は黒褐色、腹面は灰白色で褐色の斑紋がある。目の上に白い斑紋(眉斑)がある。雌は雄より大きいが雌雄同色である。 |
生息環境 |
丘陵帯から山地帯の丘陵地から山地の樹林に生息するが、樹林と農耕地がモザイク状にあるような里山に多く見られる。 |
生態 |
留鳥。繁殖期は4〜7月頃で森林の大木上に営巣する。巣は針葉樹の太い枝の付け根などに小枝を組んで作る。本州ではアカマツ混交林を好むといわれる。餌は鳥類が主体で採餌は開けた農耕地や林縁で行うことが多い。冬季になると暖地に移動する個体があり低地でも見られることがある。 |
分布状況 |
北海道、本州、四国で繁殖する。近年、九州でも繁殖が確認された。国外ではユーラシア、北アメリカに広く分布する。県内では、高山市、下呂市、郡上市、山県市、多治見市、本巣市など県下全域に確認記録がある。 |
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減少要因 |
本種の繁殖環境はいわゆる里山と呼ばれる人間活動が多く行われる場所であり、道路や住宅地などの開発もされている。また、近年は孵化直後の雛が密猟されるという事件も報告されている。 |
保全対策 |
生息環境が広域にわたる種であるため、本種の生息域で人為的行為を行う場合は営巣環境などについて詳細な調査を行いその影響について十分把握した上で対策などを講ずることが望ましい。 |
特記事項 |
国内希少野生動植物種(種の保存法)。御嵩町指定希少野生生物。 |
参考文献 |
- 「山渓ハンディ図鑑7日本の野鳥」(叶内拓哉・安部直哉・上田秀男、山と渓谷社、1998)
- 「日本の野鳥590」(真木広造・大西敏一、平凡社、2000)
- 「日本の鳥550山野の鳥・水辺の鳥」(山形則男・吉野俊幸、文一総合出版、2000)
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