形態の特徴 |
殻の高さ31mm、直径25mm程になる卵形の陸産巻貝である。色は淡黄褐色で周囲に細い淡い茶褐色の線があることが多い。殻口外唇は広がって乳白色になる。 |
生息環境 |
自然度の高い林内や川沿いの朽木や落葉の下など湿度の高い場所に生息する。石灰岩分布地域では比較的個体数が多い。 |
生態 |
詳しい生態はわかっていないが、石灰岩分布地域では、雪の重みや落石の影響が少ない倒木や岩礫の隙間で越冬する。 |
分布状況 |
本州の長野県中南部から北陸、近畿、中国中北部に広がって広島県東北部に分布する。県内では美濃市、本巣市、山県市、大垣市、垂井町、揖斐川町、池田町、郡上市、関市、八百津町、白川村、高山市、飛騨市などに確認記録がある。 |
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減少要因 |
樹林の伐採が進み、自然性の高い落葉広葉樹林が減少して乾燥化が進み、生息環境が激減している。また、貝類愛好家による過度の採集や農薬の散布も減少要因となっている。 |
保全対策 |
自然性の高い落葉広葉樹林を保全する。伐採に際しては、残存林分の林床が乾燥化しないよう、林縁植生の早期回復を図り、可能な限り伐採箇所が極小となるよう配慮が望まれる。採集者のマナー向上のための啓発も欠かせない。 |
特記事項 |
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参考文献 |
- 東正雄(1982)原色日本陸産貝類図鑑
- (財)自然環境研究センター(2002)自然環境保全基礎調査生物多様性調査動物分布調査(陸産及び淡水産貝類)報告書
- 湊宏(1988)日本陸産貝類総目録
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