形態の特徴 |
殻長30mm程度の三角形に近い形をした二枚貝である。殻表の成長脈はやや荒く、殻の色彩は黄褐色から黒色である。 |
生息環境 |
丘陵部から平野部の河川中・下流域の本流から支流、用水路、湖沼の砂泥底に生息する。 |
生態 |
河川中流域の砂質の底質を好んで生息する。湖沼に生息する個体は、大型になる傾向があるが個体数は多くない。繁殖期は春から夏で、雌雄同体で卵胎生である。 |
分布状況 |
日本固有種。東北から九州に分布する。カネツケシジミを含むタイワンシジミ類が日本に移入、定着した例は、1985年岡山県で最初に確認され、その後兵庫県など西日本において報告されている。 |
|
減少要因 |
1990年代にカネツケシジミが定着し、本種分布域の多くでカネツケシジミと置き換わっていた。2008年の調査では、河川下流域、大きな水系とつながった水路などに、カネツケシジミが定着し、本種はほとんど見られなくなった。本種と同定される個体でも、交雑している可能性が高い。 |
保全対策 |
カネツケシジミが移入した水域では復元は困難だが、まだ移入していない生息地を早急に発見し、カネツケシジミが移入しないように措置を講ずる必要がある。 |
特記事項 |
|
参考文献 |
- 木村昭一(1994)東海地方の淡水貝類相.研究彙報(第33報):14-34.全国高等学校水産教育研究会
- 木村昭一(2002)豊田市におけるカネツケシジミ(タイワンシジミ黄色型)の繁殖例.かきつばた、28:18-19.名古屋貝類談話会
- 増田修・内山りゅう(2004)日本産淡水産貝類図鑑(2)汽水域を含む全国の淡水貝類:240pp.ピーシーズ
- 愛知県(2009)レッドデータブックあいち2009:651pp.愛知県
|