選定理由 |
分布域の一部において生息条件が悪化しており、種の存続への圧迫が強まっていると判断される。 |
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形態の特徴 |
殻の高さ40mm、直径44mm程になる大型陸産巻貝である。色は赤褐色〜淡黄褐色で周囲に濃い色帯がある。殻口外唇はやや厚く赤紫色になる。 |
生息環境 |
アカマツの混じる、コナラ林からミズナラやブナ林の広がる温帯落葉広葉樹林の林床に生息する。 |
生態 |
詳しい生態はわかっていないが、5月下旬、標高約950mの比較的明るいコナラ林の林床の落葉上で確認した記録がある。動物や鳥に襲われて頂部が大きく壊された殻を見ることがある。 |
分布状況 |
近畿北部〜北陸、中部地方に分布する。県内では、中津川市、白川町、本巣市、関市、大垣市、垂井町、揖斐川町、郡上市、下呂市、高山市、白川村、飛騨市で確認記録がある。分布は広範囲であるが、個体数は少ない。 |
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減少要因 |
ダムや自動車道の建設、石灰採掘、リゾート開発などのために樹林の伐採が進み、自然性の高い落葉広葉樹林が減少して、生息環境が激減している。人里近くでは、農薬の散布、貝類愛好家の採集圧も減少要因となっている。 |
保全対策 |
自然性の高い落葉広葉樹林を保全する。伐採に際しては、残存林分の林床が乾燥化しないよう、林縁植生の早期回復を図り、可能な限り伐採箇所が極小となるよう配慮が望まれる。採集者のマナー向上のための啓発も欠かせない。 |
特記事項 |
模式産地は高山市(旧国府町地域)で、1900年にグードによってロンドンの雑誌に記載された。 |
参考文献 |
- 東正雄(1982)原色日本陸産貝類図鑑
- (財)自然環境研究センター(2002)自然環境保全基礎調査生物多様性調査動物分布調査(陸産及び淡水産貝類)報告書
- 湊宏(1988)日本陸産貝類総目録
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