形態の特徴 |
殻の高さ約4mmの小型陸産巻貝である。殻は卵状の円錐形で、色は灰褐色である。薄くてつぶれやすい。螺旋の数は5層である。 |
生息環境 |
石灰岩が分布する山地の沢筋に生息し、湿った礫や落葉の多い場所などに見られる。伊吹山では、山頂近くの低木帯の小さい礫や落葉下に生息する。 |
生態 |
主として樹林や灌木地帯の林床で生活する。湿った場所の落葉や草の根元に着いているもの、沢筋のアカソの葉裏に付着するものも見られた。冬季には岩の下などに集まって越冬するため、発見されやすい。 |
分布状況 |
日本固有種。本州の秋田県〜島根県の主として日本海側に分布する。県内では美濃地方の揖斐川町、垂井町、本巣市、山県市で確認記録がある。 |
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減少要因 |
樹林の伐採などに伴う林床の乾燥化などによる生息環境の減少が考えられる。 |
保全対策 |
樹林の伐採に際しては、残存林分の林床が乾燥化しないよう林縁植生の早期回復を図る。また、可能な限り伐採箇所が極小となるような配慮が必要となる。 |
特記事項 |
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参考文献 |
- 早瀬・木村・後藤・天野・河辺・矢橋・守谷(2008)岐阜県揖斐川町春日における陸産貝類相調査.かきつばた、33:名古屋貝類談話会
- 東正雄(1982)原色日本陸産貝類図鑑
- (財)自然環境研究センター(2002)自然環境保全基礎調査生物多様性調査動物分布調査(陸産及び淡水産貝類)報告書
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