形態の特徴 |
殻の高さ約24mmの細長い陸産巻貝である。色は淡黄褐色〜淡褐色で、シリボソギセルに似ているが、螺旋(らせん)の数が17〜19層とシリボソギセルより多い。 |
生息環境 |
シリボソギセルと同様に、石灰岩が分布する山地のやや湿った瓦礫の多い場所などによく見られる。 |
生態 |
主として樹林や灌木地帯の林床で生活する。冬季には岩の下などに集まって越冬するため、発見されやすい。 |
分布状況 |
日本固有種。県内では揖斐川町、池田町、養老町および大垣市で確認記録がある。伊吹山を中心とする地域の石灰岩地固有種である。大野町での記録もあるが絶滅したと思われる。 |
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減少要因 |
石灰岩採掘による山塊の消滅や樹林の伐採などに伴う林床の乾燥化などによる生息環境の減少が考えられる。また、生息地が極めて限定されている種のため、愛好家などによる採集も減少要因となっている。 |
保全対策 |
生息環境の再生のための研究推進が望まれる。自然性が高い落葉広葉樹林を保全する。樹林の伐採に際しては、残存林分の林床が乾燥化しないよう林縁植生の早期回復を図る。また、可能な限り伐採箇所が極小となるような配慮が必要となる。 |
特記事項 |
大垣市赤坂町の陸貝生息地(ミカドギセル他)は、県指定天然記念物。 |
参考文献 |
- 東正雄(1982)原色日本陸産貝類図鑑
- (財)自然環境研究センター(2002)自然環境保全基礎調査生物多様性調査動物分布調査(陸産及び淡水産貝類)報告書
- 湊宏(1988)日本陸産貝類総目録
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