形態の特徴 |
殻の高さ15mm以内の淡水産巻貝である。殻には螺条が著しく、黒褐色の汚れを除くと淡黄褐色である。革質の蓋がある。 |
生息環境 |
水質の良好な池沼や河川の中流〜下流のよどみ、伏流水や湧水がある水草が生える水域を生息環境にしている。 |
生態 |
詳しい生態は解明されていないが、生息地では比較的水深の浅い場所の水草や礫に付着してソウ類などを摂食していると思われる。個体数の多かった時代には、肝臓ジストマの中間宿主として注目されていた。 |
分布状況 |
本州、四国に分布する。国外では朝鮮半島、中国大陸、シベリアに分布する。県内では海津市、養老町など美濃地方南部の低地で確認されている。 |
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減少要因 |
ほ場整備による乾田化、河川改修工事、道路網の発達に伴う水路のコンクリート化などにより、湧水や伏流水があり、しかも、淀みがある水草が生育する環境の激減したことに加え、除草剤、生活廃水などによる水質の悪化が要因と考えられる。 |
保全対策 |
湧水、伏流水のある水域の保全と水草の生育する環境の価値の見直し、啓発などがあげられる。 |
特記事項 |
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参考文献 |
- (財)自然環境研究センター(2002)自然環境保全基礎調査生物多様性調査動物分布調査(陸産及び淡水産貝類)報告書
- 紀平肇・松田征也・内山りゅう(2003)日本産淡水貝類図鑑(1)琵琶湖・淀川産の淡水貝類
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