選定理由 |
大部分の生息地で生息条件が明らかに悪化しつつあり、個体数が大幅に減少している。 |
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形態の特徴 |
殻の直径50mmになる陸産巻貝である。殻は光沢が強く、色は黄褐色〜濃赤褐色で、茶褐色の筋があることが多い。軟体の背面に黒い色帯が見られる。 |
生息環境 |
ブナ帯上部から亜高山帯のダケカンバ、チシマザサ、シシウドの群落地域にかけて生息する。 |
生態 |
個体数が少なく、生きた貝を確認することが極めて少ないため、詳しい生態は解明されていない。夏季の霧雨時や雷雨の直後、登山道付近の大木の根元をはうものを確認したことはある。 |
分布状況 |
日本固有種。この原種は主として白山山系に分布する。石川県、福井県などで確認記録がある。県内では白川村、本巣市、揖斐川町などの県境一帯に分布している。 |
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減少要因 |
登山道整備や人の入山による移入動物、細菌類、ゴミなどによる環境変化、自然林の減少による。希少種であるため、愛好家による過度の採集も減少要因である。 |
保全対策 |
自然性が高い落葉広葉樹林を保全する。高標高地の林道開発は極力避ける。入山者のマナー向上を図る。 |
特記事項 |
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参考文献 |
- 東正雄(1982)原色日本陸産貝類図鑑
- (財)自然環境研究センター(2002)自然環境保全基礎調査生物多様性調査動物分布調査(陸産及び淡水産貝類)報告書
- 湊宏(1988)日本陸産貝類総目録
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