形態の特徴 |
全長45cm位で、雄の風切羽の1枚がオレンジ色で帆のように立っており銀杏羽と呼ばれている。雄は派手な色彩をしているが、雌は全体に灰褐色で地味である。 |
生息環境 |
繁殖期には丘陵帯から山地帯の池や沼、渓流に生息し、冬季は岩場の多い河川で生活する。大木のある寺社林や公園でも繁殖する。 |
生態 |
留鳥。池や渓流近くの森林で繁殖する。大木の樹洞を巣とし、雛は孵化すると落ちるように地上に落下する。親鳥は安全な所に雛を誘導して大きくなるまで見守る。冬季は岩場の多い河川流域で過ごす。ドングリの実が大好物である。 |
分布状況 |
北海道、本州中部以北で繁殖し、冬季は本州以南に移動する。国外では中国東北部、朝鮮半島、サハリンに分布し、冬季は中国南部に渡る。県内では、高山市、白川村、郡上市、山県市、揖斐川町などで繁殖している。 |
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減少要因 |
本種は丘陵帯から山地帯の水辺近くの森林で繁殖するため、ダム事業や道路建設などで森林が伐採されたり、特に樹洞のある大径木が切られたりしていることがあげられる。飛騨地方では公園や寺社林で繁殖し、巣立ちした雛が水辺に移動する際、親鳥と離れてしまう例も報告されている。 |
保全対策 |
繁殖地となる大径木のある樹林と安全な水辺環境をセットにして保全していく。巣箱の設置も効果的である。また、移動途中の雛を親から離れさせないようにオシドリの生態を市民に理解させることも必要である。 |
特記事項 |
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参考文献 |
- 「山渓ハンディ図鑑7日本の野鳥」(叶内拓哉・安部直哉・上田秀男、山と渓谷社、1998)
- 「日本の野鳥590」(真木広造・大西敏一、平凡社、2000)
- 「日本の鳥550山野の鳥・水辺の鳥」(山形則男・吉野俊幸、文一総合出版、2000)
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