選定理由 |
大部分の生息地で生息条件が明らかに悪化しつつある。 |
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形態の特徴 |
全長72-80cm前後で、翼を広げると約150cmの大きなタカである。体の背面は黒褐色、腹面は白色で黒褐色の斑紋がある。尾には太い横縞がある。雌は雄より大きい。 |
生息環境 |
丘陵帯上部から山地帯の森林に生息する。落葉広葉樹林や針葉樹と広葉樹の混交林に多く見られる。 |
生態 |
留鳥。繁殖期は2〜7月頃である。営巣は樹上で行われるが、アカマツ、モミなどの針葉樹を好み、周辺の森林樹冠より突出した高木に営巣することが知られている。毎年同じ巣を使用することが多いが、複数の巣を保有していることもある。餌は森林に生息するノウサギ、リスなどの小型哺乳類やヤマドリ、キジバトなどの中・小型鳥類の他ヘビもよく食べる。 |
分布状況 |
北海道、本州、四国、九州に分布するが西日本では減少しているという。国外では東アジア、台湾に分布する。県内では、飛騨市、高山市、郡上市、下呂市、揖斐川町、本巣市、八百津町などの山地帯で広く繁殖が確認されている。 |
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減少要因 |
ダム建設や道路建設など大規模な開発により、繁殖場所となる森林が伐採されたり生息地が分断されたりして、生息環境の悪化が指摘されている。近年、繁殖率が低下しているといわれている。 |
保全対策 |
生息環境が広域にわたる種であるため、本種の生息域で人為的行為を行う場合は、営巣環境などについて詳細な調査を行いその影響について十分把握した上で対策などを講ずることが望ましい。 |
特記事項 |
国内希少野生動植物種(種の保存法)。 |
参考文献 |
- 「山渓ハンディ図鑑7日本の野鳥」(叶内拓哉・安部直哉・上田秀男、山と渓谷社、1998)
- 「日本の野鳥590」(真木広造・大西敏一、平凡社、2000)
- 「日本の鳥550山野の鳥・水辺の鳥」(山形則男・吉野俊幸、文一総合出版、2000)
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