選定理由 |
既知のすべての生息地で生息条件が著しく悪化しており、個体数が危機的水準まで減少している。 |
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形態の特徴 |
全長20cm前後でスズメとムクドリの中間の大きさのモズである。頭から背が赤茶色で腹部は白い。眉班と喉が白く、過眼線が黒い。体毛は、雌雄ほぼ同色である。 |
生息環境 |
丘陵帯から山地帯の丘陵地、低山地の明るい林やまばらに木の生えた草原に生息する。林縁部や農耕地でも見られる。 |
生態 |
夏鳥。越冬地は東南アジア。繁殖期は5〜7月頃。巣は椀(わん)型で樹上に造られる。空中を飛んでいる昆虫や葉上の昆虫を捕らえることが多い。樹上や電線にとまって尾を振る動作をする。モズのように「はやにえ」をつくることもある。 |
分布状況 |
北海道、本州、佐渡に渡来するが繁殖地は局地的である。県内では、高山市街地の丘陵地や御嶽山麓で育雛中の個体が観察された記録がある他、各務原市、岐阜市、大垣市などで渡りの途中と思われる個体が観察されている。 |
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減少要因 |
本種の生息地である丘陵帯の里山が住宅地や道路建設などで開発され、繁殖場所が減少している。また、越冬地である東南アジアの生息環境が悪化していることも考えられる。 |
保全対策 |
繁殖地となる里山環境の保全に努めるとともに、開発する場合には営巣地となる疎林を残すようにする。 |
特記事項 |
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参考文献 |
- 「山渓ハンディ図鑑7日本の野鳥」(叶内拓哉・安部直哉・上田秀男、山と渓谷社、1998)
- 「日本の野鳥590」(真木広造・大西敏一、平凡社、2000)
- 「日本の鳥550山野の鳥・水辺の鳥」(山形則男・吉野俊幸、文一総合出版、2000)
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