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絹本著色天翁秀梅画像[けんぽんちゃくしょく・てんおうしゅうばいがぞう]
分類 | 重要文化財 |
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指定別 | 県 |
所在地 | 飛騨市古川町片原町 |
所有者 | 五峰山林昌寺 |
指定年月日 | 平成4年11月27日 |
本図の像主が天翁であることは、時代の降るものながら、墨書銘「五峰山林昌寺開山大和和尚真影天明五乙巳年現住玉代改之」によって確認される。本画像は典型的な頂相の形式により、曲ろくに座し、右手に竹箆[しっぺい]をもつ天翁を、向かって右斜めからとらえたものである。修行を終えた弟子の一人に、おそらくは林昌寺の第2代にあたりに、免許皆伝の証明として授与したものに違いない。筆者は不明だが、戦国武将金森氏を引きつけて止まなかった篤実な禅僧の人柄までを、実に格調高くかつ的確にとらえてみごとである。制作年代も明確ではないが、桃山時代中期の制作と推定される。
戦国時代の飛騨を平定した金森氏に由緒の深い林昌寺の開山の頂相として、極めてすぐれた歴史的意義を有する画像である。