形態の特徴 |
全長100cm程度に成長する。若魚は背側や背鰭に黒色斑があるが、成長に伴い消失する。 |
生息環境 |
幼魚は主として内湾のアマモ場などで成長するとされるが、若魚は汽水〜淡水域に遡上する。 |
生態 |
エビや魚類を食べる。産卵は冬に海で行われるとされており、稚魚期に河口やアマモ場で成長した後、夏期に河川へ遡上する。河川での生態についての知見はほとんどないが、植物が繁茂した環境でよく採集される。 |
分布状況 |
日本沿岸に分布する。国外では朝鮮半島沿岸に分布する。県内では長良川を関市まで遡上していたことが知られている。現在の長良川では稀であり、揖斐川・木曽川の感潮域に多く分布する。 |
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減少要因 |
木曽三川下流部の抽水植物帯の減少などによる生息環境の悪化が原因と考えられる。かつては長良川でも多数の個体が遡上したことが知られるが、1990年代半ば以降に激減していることから、近年の下流域の環境変化が大きく影響していると考えられる。 |
保全対策 |
汽水域の復元や、抽水植物帯の保護が必要である。 |
特記事項 |
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参考文献 |
- 後藤宮子(1994)登り落ち漁法から見た長良川の回遊魚.長良川下流域生物相調査報告書:80-90.
- 河村功一(2001)スズキ.川那部浩哉・水野信彦・細谷和海(編)、山渓カラー名鑑日本の淡水魚3版、p.485:山と渓谷社.
- 駒田格知(2004)長良川下流域における魚類の生息状況-1988年から2002年まで-.淡水魚類研究会会報.No.10別冊、87pp.
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