選定理由 |
分布域の一部において生息条件が悪化しており、種の存続への圧迫が強まっていると判断される。 |
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形態の特徴 |
全長8cm程度まで成長する。体は円筒形で細長く、頭部は縦扁する。口髭は4対で、3対は上唇に、1対は鼻孔から発達する。側線は発達せず、鱗は楕円形で大きい。 |
生息環境 |
平野部や丘陵地帯の最奥部の山が迫った場所にある谷や用水路などに生息する。流れが緩やかで、底質が泥の場所に多い。 |
生態 |
産卵期は県内では4月〜5月と考えられる。卵は粘着性を持ち、水草などに産みつけられる。中層を緩やかに泳ぐ。大きな移動を行わず、同じ水路内で一生を過ごす。 |
分布状況 |
日本固有種。青森県・中国地方西部を除く本州、四国東部に分布する。揖斐川、長良川、土岐川の各水系の平野部および丘陵地帯の奥まった場所にある水路では多くの場所で生息が確認される。 |
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減少要因 |
人里に近い場所に多いため、宅地開発や用水路の整備などによって生息環境が悪化し易い。水田付近の水路に多いため、農薬の影響を受けやすい。 |
保全対策 |
里山の植生を維持することで水路への水の供給を維持する。里山の造成による谷川の埋め立てや、コンクリート護岸を避ける。生息地付近の水田での農薬使用を控える。 |
特記事項 |
岐阜市貴重野生動植物種。御嵩町指定希少野生生物。 |
参考文献 |
- 細江達三・古屋康則(2008)岐阜県におけるホトケドジョウの生息地環境.岐阜大学教育学部研究報告(自然科学)、32:19-28.
- 澤田幸雄(2002)ホトケドジョウ.川那部浩哉・水野信彦・細谷和海(編)、山渓カラー名鑑日本の淡水魚3版、p.400:山と渓谷社.
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