選定理由 |
既知のすべての個体群で、個体数が危機的水準まで減少している。 |
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形態の特徴 |
全長13cmでコウライモロコに似るが、口髭が瞳孔径より短く、体高が高く、頭部の背縁が盛り上がる。成魚では体側の暗点列が不明瞭になる。 |
生息環境 |
平野部の湖沼、河川敷内のワンド、灌漑用のため池、これに通じる流れのない用水、泥底または砂泥底の底層に生息する。 |
生態 |
産卵期は4月〜6月。卵は弱い粘着卵で、受精後50時間(21℃)で孵化する。満1年で成熟する。底生動物を餌とする。 |
分布状況 |
濃尾平野と琵琶湖にのみ分布するが、濃尾平野における生息情報は非常に少ない。国外からの報告はない。飛騨地方には生息しない。 |
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減少要因 |
平野部の池沼では、オオクチバスなどの外来魚の侵入による食害や、生息場所である池沼や水路の消失が挙げられる。 |
保全対策 |
本種の捕獲例のある地域周辺では、水路の改修やため池の埋め立てなどを避けなければならない。また、生息域外保全に向けた繁殖技術の開発が必要である。 |
特記事項 |
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参考文献 |
- 細谷和海(2000)コイ科.中坊徹次(編)、日本産魚類検索第2版、pp.253-271:東海大学出版会.
- 細谷和海(2002)デメモロコ.川那部浩哉・水野信彦・細谷和海(編)、山渓カラー名鑑日本の淡水魚3版、p.320:山と渓谷社.
- 中村守純(1969)日本のコイ科魚類:資源科学研究所.
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