形態の特徴 |
タナゴ類の中ではタナゴに次いで体高が低い。口髭は短く痕跡的である。体側に名のもとになった青緑色の一文字の縦条が見られる。 |
生息環境 |
平野部の細流や用水路の流れの緩やかな場所、池沼に生息する。泥底で水草が繁茂する場所に多い。 |
生態 |
主に付着藻類を摂るが、底性の小動物も食べる。産卵期は4〜8月で、ドブガイなどイシガイ科の二枚貝に産卵する。卵は1ヶ月ほどで全長8mmほどの稚魚に育ち貝から泳ぎ出る。 |
分布状況 |
日本固有種。琵琶湖淀川水系、紀ノ川水系、福井県三方湖、濃尾平野に分布する。県内は、濃尾平野の各河川に分布する。最近西日本の各地で分布が確認され、琵琶湖からの移入と考えられている。 |
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減少要因 |
水路のコンクリート化や汚濁により母貝の激少とともに激減した。さらにオオクチバスやブルーギルによる捕食で絶滅の危機にある。 |
保全対策 |
農薬の使用を最小限にする、水質汚濁の改善、河川・水路のコンクリート護岸を避けるなどの産卵母貝の二枚貝が生息できる環境の保全や創出が必要である。生息地におけるブラックバスやブルーギルの駆除なども有効である。 |
特記事項 |
水産庁レッドデータブック希少種。 |
参考文献 |
長田芳和(2001)イチモンジタナゴ、カラー名鑑改訂版日本の淡水魚.P372、山と渓谷社長田芳和・小川力也(1998)イチモンジタナゴ、水産庁(編)日本の稀少な野生水生生物に関するデータブック、p124−125.(社)日本水産資源保護協会 |