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桜堂絵馬[さくらどうえま]

分類 重要文化財
指定別
所在地 瑞浪市土岐町桜堂
所有者 桜堂薬師
指定年月日 昭和31年11月14日

板絵著色桜堂絵馬

 絵馬は、平安以降、盛んに描かれ鎌倉、室町、江戸と益々隆盛になった。絵にかいた馬を神仏に奉納し、馬を献上する代用としてものと思われる。
絵馬は庶民の表現として興味深い。初めは小さなものであったが、徐々に発展し大作になり、芸術の香りの高いものが奉納されるようになった。時代が進につれ多様になり、掛額といえるものになった。
桜堂絵馬の内、慶長絵馬は、木材も厚くがっちりしたもので、褪色がみられるが、墨の部分は高く盛り上がり腐食を防いでいる。線は太く、当時の精神を表現する傑作である。綱は大胆に一直線に描かれ、跳ね上がる馬の勇み足も生気に満ちている。
寛文の絵馬の馬は、慶長のものを裏返しにしたような構図で、黒色も鮮やかである。いまひとつは松に鷹の図である。
享保の絵馬は、自由と享楽を獲得した庶民が、踊り狂っている情景を描いたものである。太鼓、鼓、三味線の囃子に合わせ、扇を口にあて唄う若者、その周囲を老若男女が厚化粧をし晴れ着を着て踊る姿を描いた浮世絵であり、当時の風俗がうかがえる。