選定理由 |
大部分の生息地で生息条件が明らかに悪化しつつあり、個体数が大幅に減少している。 |
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形態の特徴 |
前腕長27〜34mm、頭胴長40〜54mm、体重4〜8g。体毛は黄褐色である。翼の上面の一部には長い毛が生えている。鼻孔は管状でやや飛び出している。 |
生息環境 |
丘陵帯〜山地帯付近の樹林に生息する。ねぐらは樹洞と考えられている。灌木の茂み、樹皮下の隙間、落ち葉の下、洞穴や家屋内などでもよく見られる。 |
生態 |
夜間活動して昆虫類を食べる。樹林で生活すること以外、出産哺育場所など詳しい生態は解明されていない。 |
分布状況 |
北海道〜九州、対馬、壱岐に分布する。中部地方以西では確認例が少ない。国外ではシベリア、千島列島、朝鮮半島に分布する。県内では飛騨地方の白川村、飛騨市、高山市、下呂市などで確認されている。 |
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減少要因 |
樹洞性の種とされるが、灌木の茂みや家屋内などでもよく見かけることから、環境への適応性は他の樹洞性コウモリよりも高いと考えられる。しかし、このような特性を持ちながら確認例は少なく、本来のねぐらや出産哺育場所となる樹洞の消失が個体数減少に関連していると考えられる。 |
保全対策 |
大径木のあるような自然林などは可能な限り広範囲の保全に配慮が望まれる。 |
特記事項 |
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参考文献 |
- コウモリの会編(2005)コウモリ識別ハンドブック:文一総合出版
- 阿部永他(2008)日本の哺乳類[改訂2版]:東海大学出版会
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