選定理由 |
既知のすべての生息地で生息条件が著しく悪化しており、個体数が危機的水準まで減少している。 |
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形態の特徴 |
前腕長39〜44mm、頭胴長49〜63mm、体重8〜12gの小型コウモリ。体毛は黒色で、耳介が大きく幅広く、左右の根本が頭部の上で結合している。 |
生息環境 |
主として山地帯に生息すると考えられる。昼間のねぐらとして樹洞を利用するが、洞穴で越冬個体が見つかったこともある。 |
生態 |
樹林で生活する以外、出産哺育場所など詳しい生態は解明されていない。 |
分布状況 |
四国と本州の中部以北に分布する。国外では中国西部、インド北部などに分布する。北海道を除くと採集個体数は極めて少ない。県内では八百津町と高山市高根町野麦で確認されたのみである。野麦では、出産・哺育中の個体が確認されている。 |
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減少要因 |
樹洞をねぐらにするコウモリで、樹洞のある自然林の消失が減少要因として考えられる。近年、本州で確認された個体数は極めて少ないが近年集団冬眠場所が確認された。県内では、冬眠個体と出産・哺育中の個体が確認されている。 |
保全対策 |
大径木のあるような自然林などは可能な限り広範囲の保全に配慮が望まれる。 |
特記事項 |
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参考文献 |
- コウモリの会編(2005)コウモリ識別ハンドブック:文一総合出版
- 阿部永他(2008)日本の哺乳類[改訂2版]:東海大学出版会
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