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クビワコウモリ

クビワコウモリ EptesicusjaponensisImaizumi 絶滅危惧I類
(環境省:絶滅危惧IB類) コウモリ目ヒナコウモリ科
選定理由 既知のすべての生息地で生息条件が著しく悪化しており、個体数が危機的水準まで減少している。 写真を拡大表示します
形態の特徴 前腕長38〜43mmで体重8〜13gの小型コウモリ。体毛は背面は黒褐色で上毛(粗毛)の先端は薄い褐色から白色だが、金属光沢を持つ個体もいる。
生息環境 山地帯の主に樹林に生息する。樹洞をねぐらにする。乗鞍高原では出産哺育場所として家屋の壁板の隙間や天井裏を利用している。
生態 夜間活動して昆虫類を食べる。出産哺育期は7月〜9月頃と考えられる。長野県の乗鞍高原では、200頭を越える出産哺育集団が確認されており、そこでは初夏に雌だけが来て出産・哺育が行われ、9月〜10月頃には姿が見られなくなる。
分布状況 日本固有種。分布域としては本州中部から関東に限定されるようである。県内では御嶽山山麓・高山市高根町野麦で確認されているのみである。なお、野麦では出産・哺育が確認されている。 分布情報図を拡大表示します
減少要因 生息するためには樹洞が形成されるような大径木のある自然林が必要である。したがって自然林の伐採により生息環境が消失しやすい。詳しい生態は不明であるが、全国的にも生息地は少なく、生息環境に対する選択性が高いと考えられる。
保全対策 大径木のあるような自然林などは可能な限り保全に配慮が望まれる。家屋などをねぐらや出産哺育場所に利用することもあるため、コウモリ小屋など"人工ねぐら"を作るのも生息に有効であるが、条件について十分な検討を行う必要がある。
特記事項  
参考文献
  • コウモリの会編(2005)コウモリ識別ハンドブック:文一総合出版
  • 阿部永他(2008)日本の哺乳類[改訂2版]:東海大学出版会

文責:山本輝正