形態の特徴 |
前腕長31〜34mm、頭胴長43〜53mmで体重5〜9gの小型コウモリ。外観はアブラコウモリに酷似しているが、犬歯は細く、後方の突起が大きい。 |
生息環境 |
一般にブナ林が発達した良好な天然林が広く残る場所でのみ生息が確認される。春先には、アブラコウモリの生息場所付近で確認されることもある。 |
生態 |
樹林で生活する以外、出産哺育場所など詳しい生態は解明されていない。 |
分布状況 |
日本固有種。本州、四国、九州に分布域が見られる。県内では高山市荘川町尾上郷・飛騨市河合町天生・高山市高根町野麦・揖斐川町徳山で確認されているのみである。 |
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減少要因 |
樹洞をねぐらにするコウモリで、生息するためには樹洞が形成されるような大径木のある自然林が必要である。したがって自然林の伐採により生息環境が消失しやすい。また、詳しい生態は不明であるが、全国的にも生息地は少なく、生息環境に対する選択性が高いと考えられる。 |
保全対策 |
大径木のあるような自然林などは可能な限り広範囲の保全に配慮が望まれる。 |
特記事項 |
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参考文献 |
- コウモリの会編(2005)コウモリ識別ハンドブック:文一総合出版
- 阿部永他(2008)日本の哺乳類[改訂2版]:東海大学出版会
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