形態の特徴 |
前腕長37〜43mmで体重5〜10gの小型コウモリ。尾膜の後縁の尾端周辺に細毛を列生している。耳珠は細長く9mm以上あり、耳長の半分以上ある。 |
生息環境 |
県内ではブナ林に隣接した自然林と植林の混在した場所で確認された。ねぐらとして自然洞穴や廃坑の窪みを利用する。 |
生態 |
林内や林縁で小型の昆虫や造網性のクモを採餌する。夏季には母系の出産哺育群を形成する。その規模は数頭から200頭前後。雌は生まれた年の秋には性成熟し、翌年初夏に1子を出産する。 |
分布状況 |
北海道、本州、四国、九州に分布する。西ヨーロッパ、東アジアなどに分布する。県内では飛騨地方の白川村の自然林が残る森林で確認されているのみである。 |
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減少要因 |
生息するためには樹洞が形成されるような大径木のある自然林が必要である。したがって自然林の伐採により生息環境が消失しやすい。なお、県内では山地帯上部付近に生息し、現状では生息立地が飛騨地方の山地に限定されており少ない。 |
保全対策 |
大径木のあるような自然林などは可能な限り広範囲の保全に配慮が望まれる。 |
特記事項 |
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参考文献 |
- コウモリの会編(2005)コウモリ識別ハンドブック:文一総合出版
- 阿部永他(2008)日本の哺乳類[改訂2版]:東海大学出版会
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