形態の特徴 |
体長は雄4〜6cm、雌6〜8cmである。吸盤が大きい。背部は明緑色〜暗緑色で赤褐〜黒色の斑紋を有する個体もある。虹彩は赤みがかる。卵塊は泡状で約10cmである。 |
生息環境 |
低地から亜高山帯まで分布するが、平野部にはあまり生息していない。森林で生活し、止水の上に産卵するため、両方の環境が存在するところに生息する。 |
生態 |
成体は普段は森林で生活しており、人目につきにくい。繁殖期には池沼や湿原、水田などに現れ、水面上に張り出した枝や、草などに直径10cm前後の白っぽい泡状の卵塊を生み付ける。孵化した幼生は降雨時などに下の水面へ落下し、止水中で成長する。 |
分布状況 |
日本固有種。本州および佐渡島に分布する。県内では主として美濃〜飛騨の山地に生息し、東濃などでは局所的に分布するのみである。人為的な移動も多々行われており、本来の生息域であるか疑わしい場所もある。 |
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危険要因 |
森林の伐採や産卵に適した止水域の減少による。里山と水田という組み合わせを利用している人里の生物でもあったため、森林の皆伐や耕作放棄地の増加の影響を直接受けている。また、人為的な移入・移出による多様性の低下が懸念されている。 |
保全対策 |
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特記事項 |
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参考文献 |
- 松井正文・関慎太郎(2008)カエル・サンショウウオ・イモリのオタマジャクシハンドブック80pp.:文一総合出版
- 岐阜県高等学校生物教育研究会(1974)岐阜県の動物:大衆書房
- 内山りゅう他(2002)決定版日本の両生爬虫類:平凡社
- 松橋利光・奥山風太郎(2002)山渓ハンディ図鑑9日本のカエル:山と渓谷社
- 松井正文(1989)日本カエル図鑑:文一総合出版
- 松井孝爾(1985)日本の両生類・爬虫類:小学館・前田憲男
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