本文
絹本著色日吉山王曼荼羅図[けんぽんちゃくしょく・ひえさんのうまんだらず]
分類 | 重要文化財 |
---|---|
指定別 | 県 |
所在地 | 郡上市白鳥町長滝中切 |
所有者 | 阿名院 |
指定年月日 | 平成15年9月19日 |
画面上方に社殿の巻簾を描き、上段の間に描かれる山王上七社(八王子・三宮、二宮・大宮・聖真子、十禅師・客人)をいずれも俗形で表し、下段の間の中七社の大行事と早尾も俗形で表している。さらに最下部の外陣、高欄付の縁に開口の獅子と閉口の狛犬を配し、階梯子左右に竹を描いている。このようなことから本図は、垂迹の神影を衣冠の俗形、僧形、唐装婦人像などで表す日吉山王垂迹曼荼羅である。垂迹曼荼羅は、本地垂迹思想すなわち仏・菩薩がわが国の人々を救うために、仮に神祇の姿をとって現れるという考えに基づいて描かれるものである。各部の描写は比較的細かく丁寧であり、室町時代の垂迹曼荼羅の貴重な作例である。制作時期は、室町時代後期と見られる。