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絹本著色涅槃図[けんぽんちゃくしょく・ねはんず]
分類 | 重要文化財 |
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指定別 | 県 |
所在地 | 大垣市上石津町一之瀬 |
所有者 | 天喜寺 |
指定年月日 | 昭和49年6月18日 |
涅槃図は、釈迦がこの世を去ろうとするとき、52類の生類が集まり、釈迦を取り囲み、なげき悲しんでいる様子を描いたものである。
平安時代になり、釈迦が没した2月15日、釈迦を追慕する涅槃会が我が国で行われるようになった。涅槃会の普及とともに、この法会の本尊とされる涅槃図が、鎌倉時代から室町時代にかけて多く制作されるようになった。
天喜寺の涅槃図は、極彩色で描かれている。釈迦を取り囲んだ菩薩や号泣する弟子たちの表情には変化があり、描写は的確で、賦彩は美しく優れた涅槃図である。色彩は一部に剥落があるが、全体的に保存状態はよい。
この涅槃図を収める記に箱の内側には次の墨書「慶安五年辰孟夏吉旦牧窓軒修補焉」があり、慶安5年(1652)4月、牧窓軒によって、この絵画の修理が行われたことがわかる。