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金胎両界曼荼羅図[きんたいりょうかいまんだらず]
分類 | 重要文化財 |
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指定別 | 県 |
所在地 | 本巣郡北方町大門 |
所有者 | 円鏡寺 |
指定年月日 | 昭和34年3月10日 |
両界曼荼羅は、密教における金剛界曼荼羅、胎蔵界曼荼羅の2種1具の曼荼羅をいう。曼荼羅は梵語のMandalaの表音で、一切諸法すなわち宇宙の森羅万象をことごとく具備しているという意味の言葉である。
密教において一切万象は、大日如来に帰納するといわれ、母親の胎内に子が宿るように森羅万象が大日如来に胎蔵されるとみて胎蔵界が成立する。また、一切万物は大日如来の金剛杵[こんごうしょ]にも比ぶべき、猛く、鋭く、豊かな智徳が開顕したとみて金剛界が成立する。このような密教の教理体系を抽象的、可視的に図示し哲学的観想の対象とし、修法の折りの本尊としたものが両界曼荼羅であり、密教図像の中で最も重要なものとなっている。
円鏡寺所蔵の両界曼荼羅は、2幅とも目の荒い絹地に儀軌に従い忠実精密に描かれている。この双幅は画面の汚損は少なく色彩もよく残っている。