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県民経済計算のよくある質問
質問 | 回答 |
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そもそも、県民経済計算とは何か?何が分かるの? | 県民経済計算は、1年度において県内、あるいは県民の経済活動により新たに生み出された成果(付加価値)を生産、分配、支出の3面から計測し、県経済の実態を包括的に明らかにする加工統計(各種の統計を加工して作成する二次統計)です。GDP(国内総生産)や国民所得などを推計する国民経済計算の県版と考えてください。 県民経済計算では、県内総生産、県民所得などが推計され、これらから岐阜県の経済成長率(県内総生産の対前年度増減率)、経済規模、産業構造、所得水準や、その年度変化などを把握することができます。 また、都道府県民経済計算はすべての都道府県で行われているため、各推計値を都道府県間で比較することで、全国における岐阜県経済の位置などを計ることも可能です。 |
計算結果(確報)の公表が翌々年度となる理由は? | 県民経済計算の推計には工業統計はじめ多くの統計資料が必要となりますが、これらの統計の公表時期は推計対象年度の翌年以降となっています。県民経済計算の推計は、こうした統計資料の公表を待って作業を行わざるを得ないため、翌々年度の公表といったスケジュールになります。(各都道府県とも同様です。) |
県民経済計算結果には、山口村分が含まれているの? ※平成17年2月13日、長野県木曽郡山口村が中津川市に越県合併 |
合併以前(平成15年度以前、及び平成16年度の合併日より前)の年度値は、当時の岐阜県内、岐阜県民の概念で推計しており、遡って山口村分を加算してはいません。 合併以後の年度値には、旧山口村分を含んでいます。 |
平成22年度以前の計算結果を入手したい | 県民経済計算結果のページの注釈をご参照ください。 なお、平成22年度以前の推計値は、SNAや基準年が異なるため現在の推計値とは接続しませんのでご注意ください。 |
他都道府県の都道府県民経済計算結果(確報)を入手したい | 各都道府県のホームページで公表されています。また、全都道府県が公表した時点で、内閣府が取りまとめて都道府県一覧を公表しています。 詳しくは、内閣府の県民経済計算<外部リンク>のページをご覧ください。 |
「1人当たり県民所得」は、県民個人の平均給与や平均収入のことなの? | 県民所得とは、「雇用者報酬」、「財産所得」、「企業所得」を合算したものであり、これを人口で割って算出する「1人当たり県民所得」は、県民個人の給与や収入の水準を示すものではありません。ここでいう「県民」には個人だけではなく、県内の民間企業や官公庁なども含みます。 1人当たり県民所得とは、経済全体の水準を示す「県民所得」を、人口規模による影響を除くために人口で割って算出したものであり、地域間比較に適した1つの指標ではありますが、質問のとおり個人給与や個人所得の平均を意味するものとよく誤解されています。 県民所得の定義、意味を正しく理解した上で「1人当たり県民所得」を使用してください。 |
「名目」と「実質」って何? | 「名目」とはその年度に実際に取引された価格を評価基準にしたもので、「実質」とはある年の物価を基準として物価変動による影響を取り除いたものです。 例えば、A年度からB年度の間に物価が2倍になったとすると、両年度とも生産活動が同規模であっても、「名目」では総生産は2倍、経済成長率100%になります。しかしこれは貨幣価値の変動によるもので、実質的な経済成長ではありません。そこで物価変動の影響を除いた「実質」で見れば、総生産は両年度同じ、経済成長率0%となります。 名目値は国や他県との経済規模の比較や構成比の分析を行う際に、実質値は異なる時点の比較をする(ex.岐阜県の経済成長率を長期的に観察する)際に適切な指標です。 なお、生産系列、支出系列は連鎖方式で実質化していますが、県民所得など分配系列はすべて名目値であり、実質化は行っておりません。また、県民所得など分配系列はすべて名目値であり、実質化は行っておりません。 |
生産、分配、支出(系列)って何? | 県民経済計算は、生産、分配、支出の3つの系列から成り立っています。 これは県経済を、企業等の生産活動により付加価値を生み(=生産)、その付加価値を給料や企業利益として分配し(=分配)、その分配された所得を家計消費や設備投資などで支出し(=支出)、その支出により更に生産活動が行われ...という生産→分配→支出→生産→分配→...の循環で捉え、それぞれの段階における推計をしているのです。これは3つの側面から県経済という同じものを見ていることから、理論的には3系列の推計値は一致します。これを「三面等価の原則」といいます。 ところで、統計表を見ると生産系列の「県内総生産(生産側)」と支出系列の「県内総生産(支出側)」の値は一致しますが、分配系列の「県民所得」とは一致しません。これは県内概念と県民概念、総(グロス)と純(ネット)、市場価格表示と要素費用表示という評価の基準の違いによるもので、三面等価の原則が成立していない訳ではありません。 |
どの統計表を見たらいいのか分からない... | まずは主要系列表を見てください。主要系列表は生産、分配、支出の3系列それぞれについて、基礎的な数値を提供するものです。主1−1表〜主1−7表が生産系列、主2−1表〜主2−3表が分配系列、主3−1表〜主3−7表が支出系列に対応しています。 経済活動別県内総生産は生産系列、県民所得は分配系列、最終消費支出や固定資本形成などは支出系列で推計していますので、各系列に対応する表をご覧ください。 |
同じ年度の値なのに、以前に公表された値(総生産、県民所得など)と、最近公表された値が異なっているが... | 県民経済計算は、毎年度公表する度に、過去の値も(現在は平成23年度まで)修正しています。 これは、県民経済計算に使用している一次統計の遡及修正や、5年に一度など周期調査(国勢調査など)の結果を反映させているためです。 また、県民経済計算の推計方法の変更や推計対象範囲の変更などにより修正されることもあります。 従って、県民経済計算結果は、過去の値(平成23年度以降)も常に最新のものをご利用ください。 |
第1次産業、第2次産業、第3次産業の総生産の合計と、県内総生産が合わないが... | 第1次、第2次、第3次産業の総生産は、「輸入品に課される税・関税」の加算及び「総資本形成に係る消費税」「帰属利子」の控除がされる前の値(小計値の内訳)であるためです。 これらの項目は経済活動別に分割することが困難であり、最後に一括して加算・控除して県内総生産を算出するため、第1次、第2次、第3次産業の総生産には、これらの加算・控除が反映されていません。 |
工業統計の出荷額が増えているのに、製造業の総生産が減少しているのは何故? | 県民経済計算は付加価値ベースで生産活動を把握しますので、例えば工業統計の製造品出荷額等(産出額)が増加しても、原材料高などの影響でそれ以上に原材料費等(中間投入額)が増加すれば、製造業の総生産(産出額−中間投入額)は減少します。 県民経済計算(確報)では、付表4「経済活動別県内総生産及び要素所得」で、各年度の経済活動別の産出額、中間投入額、総生産が分かりますので、ご参照ください。 ※工業統計と県民経済計算では対象期間(暦年と年度)や分類(日本標準産業分類とSNA分類)が異なること、また間接費(厚生費、保険料等)の取り扱いなどが違うため、総生産と(工業統計における)付加価値額、中間投入額と原材料使用額等の概念は完全には一致しませんので、この点は注意が必要です。 |
県内で新たに出荷額100億円の工場が立地・稼働したり、経済(波及)効果が100億円のイベントが実施されると、県内総生産は100億円増えるの? | 前問の回答のとおり、総生産とは付加価値のことですので、工場誘致で新たに出荷額100億円の工場が立地・稼働したとしても、総生産が100億円増えるのではなく、産出額が100億円増えることになり、ここから中間投入額を差し引いた分が県内総生産の増加となります(注)。 また、大型イベントなどの実施にあたり、経済(波及)効果は100億円などという報道や広報がよくありますが、一般的に経済(波及)効果額とは、それに関連したお金の流れがどのくらいの規模になるか(産出額)を予測したものであり、総生産とは異なります。従って、イベント開催により県内で純粋に生産誘発額が100億円増加したとしても、県内総生産が100億円増える訳ではありません。 注:説明の単純化のため、投資や在庫品、経済波及効果等は考慮していません |