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循環経済(サーキュラーエコノミー)
循環経済(サーキュラーエコノミー)の推進について
循環経済とは
循環経済は、従来の3R(リデュース、リユース、リサイクル)に加え、資源投入量・消費量を抑えつつ、ストックを有効活用しながら、サービス化等を通じて付加価値を生み出す経済活動であり、新たなビジネスモデルとして注目されています。
県では循環経済の推進に向けて、県内における普及促進に取組んでいます。
普及促進に向けた取り組みについて
令和7年度
「循環型ビジネスで拓く新たな事業価値」サーキュラーエコノミーセミナー
サーキュラーエコノミーの考え方や実践事例を学び、資源循環と事業性を両立する際のポイントを詳細に学ぶセミナーを開催し、
製造業、廃棄物処理業・リサイクル業、自治体職員など36名の方に参加していただきました。
日時
令和7年11月10日(月曜日)15時00分から17時30分
会場
INNOVATOR’S VILLAGE(岐阜市薮田南3丁目7番20号)
内容
・基調講演(15時00分から15時40分)
「サーキュラーエコノミーの現在地、循環型ビジネスをつくる視点と心得」
ハーチ株式会社 代表取締役 加藤 佑 氏
ハーチ株式会社 代表取締役の加藤 佑氏からは、
循環経済(サーキュラーエコノミー)への移行が必要な背景から、
循環型ビジネスモデルとして、「シェアリングプエコノミー」「修理・リサイクル可能な製品設計」が必要である話や、
「傘のシェアリングサービスの事例」「割りばしから家具を製造した事例」「食器をリサイクルしてできた肥料の事例」といった、
循環型ビジネスの事例紹介などをご講演いただきました。
・実践事例紹介(15時40分から16時10分)
「複合プラスチックの再生を実現した事業設計と環境」
株式会社REMARE 代表取締役 間瀬 雅介 氏
株式会社REMARE 代表取締役 間瀬 雅介氏からは、
「日本のプラスチックは、約62%が焼却処理され、CO₂排出が問題視されている。
そのため、リサイクル推進の声が高まっており、これまで不可能とされてきた
複合プラスチックの再生利用をするため、素材ごとの整形データを約7,000件蓄積してきた」
といったREMAREの取組に至る経緯などについてご紹介いただきました。
こうした経験をもとに、「年間リサイクル量やCO₂削減効果をレポート化できる
独自のサービスを展開し、プラスチックを循環型の仕組みを作っていきたい」
と述べられました。
「既存事業から循環型事業への転換、事業性と社会性の両立」
株式会社ミヨオーガニック 代表 山本 美代 氏
株式会社ミヨオーガニック 代表 山本 美代 氏からは、ホテルで使い捨て歯ブラシを見て、
「大量のゴミが出ている」ことに気づき、2018年に事業を開始した経緯から始まり、
プラスチック製歯ブラシを竹歯ブラシに置き換え、環境に配慮したアメニティを製造販売し、
500以上のホテル・施設で採用していただいている製品開発と実績についてご紹介いただきました。
さらに、「アップサイクルはコストが高く、”消費者の(値段が)安くなる”誤解をどう解くか?」
が難しい、また、「バージン材よりも品質が劣ることが課題である」
とのご見解を伺いしました。
・パネルディスカッション(16時10分から16時55分)
株式会社REMARE 代表取締役 間瀬 雅介 氏
株式会社ミヨオーガニック 代表 山本 美代 氏
株式会社FabCafe Nagoya 代表取締役 矢橋 友宏 氏
パネルディスカッションでは、「文化・消費者意識の違い」という点で、
欧州では企業姿勢でモノを選ぶ一方、日本人は「他人からの目」を重視する傾向があるため、
日本人に行動変容を促すには”他人の目”がポイントになるとの意見が交わされました。
また、金融機関は、「収益性+循環性」を評価軸にしていく必要があるのではないか、そのためには、
企業が循環性を可視化する定量的なデータが重要であるとの意見がありました。
さらに、地域レベルで情報共有・基準づくりを進めることが重要性等、幅広い視点から
活発な議論が展開されました。
交流会
セミナー終了後の交流会では、登壇者と参加者が一堂に会し、活発な交流の時間になり、
名刺交換や情報交換だけでなく、アイデアを語り合うなど熱気に包まれ、
会場は笑顔と前向きな議論であふれていました。
「めぐる視点で未来の事業価値を描く」サーキュラーエコノミーワークショップ
製品やサービスの設計段階から限りある資源を循環させるための考え方を学ぶとともに、企業が実際に資源循環の視点から抱えている課題をテーマに、
ビジネスのアイデア発想を体験するワークショップを開催し、製造業、廃棄物処理業・リサイクル業、自治体職員など20名の方に参加していただきました。
日時
令和7年12月16日(火曜日)13時00分から17時30分
会場
OKB岐阜大学プラザ OKBSCLAMB(岐阜市柳戸1-1)
内容
・基調講演(13時00分から13時30分)
「循環型ビジネスを発想する視点」
株式会社ロフトワーク バイスMTRLマネジャー 長島 絵未 氏
株式会社ロフトワーク バイスMTRLマネジャー 長島 絵未氏は、
「サーキュラーエコノミーにおけるデザインとは、単に色や形を決めることではない。」と強調。
「使いやすいユーザー体験、プロジェクトの文脈、そして人々の「行動の設計」こそが、
サーキュラーエコノミー型ビジネスにおけるデザインの本質である」と述べられました。
また、講演では、具体的な実践事例として、
・野菜の切れ端など市場に出る前の隠れフードロスに着目し、それを独自の技術を用いて、
傷みやすい野菜くずを瞬時に殺菌・乾燥・粉末化し、それを練り込んで
オニオンブレッドとして販売する「隠れフードロスの資源循環」
・リサイクル困難な混合素材の代表格であるマットレスを、設計段階から見直し、
二酸化炭素排出量は従来のマットレスより50%少なくした、「環境負荷軽減のマットレス」
・「分別してください」と呼びかけるだけでなく、ゴミを捨てる際に
クイズが出題される遊び心をプラス。ゲーム感覚で楽しく分別ルールを学び、
生活者の意識と行動を自然に変えていく仕掛け。
などが紹介されました。
最後には、長島氏からは、循環型社会の実現するために
・素材や技術単体で終わらせず、それを社会で実装するための「仕組み」や「パートナー」
・クイズのようなゲーム感覚を通じて、生活者の「資源を分ける」という行動が
自然と促される「行動の設計」
・サーキュラーエコノミーに唯一の正解はないため、様々な立場の人が、
ディスカッションを重ねながら進めていく姿勢が不可欠
これら3つのポイントが挙げられました。
・グループワークショップ(13時30分から17時00分)
グループワークショップでは、参加者がA〜Dの4グループに分かれ、
岐阜県内のテーマオーナー事業者4社が提示したリアルな事業課題に対し、
参加者がチームを組んでアイデア創出に取り組みました 。
【テーマオーナー企業】(五十音順)
- 株式会社サンウエスパ
- 株式会社スーパーメイト
- 長谷虎紡績株式会社
- リスパック株式会社
まずは各社より事業紹介と現在直面している課題が共有されました。
参加者は、付箋を用いて各社の事業プロセスを分解・可視化し、
課題の核心を探る作業に集中して取組みました。
その後、各グループで抽出した課題と提案された解決策をもとに、
対象者像の明確化、提供するサービス内容などを出し合い
具体的なビジネスモデルへと発展させていきました。
最後には、各グループで検討を重ねたアイデアについて、課題設定の背景や想定する対象者、
提案内容の特徴などを整理したうえで発表を行いました。
・各チームによる発表とディスカッション
Aチームでは、水域環境を脅かす「水草」をより付加価値の高い「バイオインナー(下着)ブランド」の立ち上げができないか?というプレゼンが広げられました。

水草にはセルロースが豊富に含まれており、海外では繊維素材としての活用が進んでいます。
この「水草由来の繊維」と「バイオ炭の機能性」を掛け合わせ、異常繁殖という社会課題を、日常的に消費される下着という形で創出するというビジョンです
会場からは、「単価設定」と「ターゲット(男女)」の絞り込みが鍵になるとの声が上がり、例えば、「男性だと数千円だが、女性向けの下着市場は感覚が異なる」といった指摘があり、ビジネスの実現性に向けた話が展開されました。
Bチームでは、ペットボトルキャップの資源循環を確立するというプレゼンが広げられました。
まずは、ペットボトルキャップが資源になるという認知が必要。例えば、小学校から認知を広げ、親世代の行動変容につなげる。さらに、ペットボトルキャップからできえたテーブルとして販売するだけでなく、天板の素材として販売することで販路が拡大するのではないかといった話が繰り広げられました。
また、会場からは、タバコのポイ捨てが46%減少したイギリスの2択式の投票式BOXを導入するなど回収自体を楽しくする工夫が大事といったアドバイスもありました。
Cチームでは、
バイオプラスチックの認知をどうやって広げるか?といったプレゼンが広げられました。
プラモデル(ガンプラ等)や文房具といった、愛着の湧く商品にバイオマスプラスチックを積極的に使うことで、「実は身の回りはバイオマスプラスチック」という意識が浸透するのではないかという意見がありました。
今実施しているバイオマスプラスチックは、食品容器のため、
コストもかかり、どうしても主役になりづらく、コストが重視されてしまう。
バイオマスプラスチックが主役になり、バイオマスプラスチックであることの付加価値が認められれば、
趣味の世界なら『バイオマスであることの付加価値』が広がるのではないかといった意見があり、
いかにして「バイオマスプラスチック=当たり前」の世界を作るかが大事であるかという
議論にも発展しました。
Dチームでは、
年間9,000万トンも捨てられている衣服、特に「ダウン」の再利用に焦点を当てました。
「あなたが捨てたダウンで、もう一度誰かを温めたい」というコンセプトの元、再生の羽毛を再利用したひざかけを提案するプレゼンが広げられました。

ただし、新品(バージン素材)に比べて回収・洗浄のコストがかさみ、商品価格が高くなってしまうという「経済合理性」の壁があり、価格転嫁すると一般消費者には届きにくく、普及の足かせとなってしまうのではないかといった意見もありました。
そのため、「モノを売る」のではなく、「温かい体験」を提供するサービスへの転換について、提案がありました。 具体的には、再生ダウンを使った高品質な「膝掛け(ブランケット)」を開発し、これを一般販売するのではなく、映画館のプレミアムシート、航空機のビジネスクラス・ファーストクラスなどで提供することで、コストの壁をブランド価値で乗り越える戦略の話が展開されました。
発表されたアイデアに、各グループのファシリテーターが
ビジネス加速へのヒントを追加し、大絶賛で終えることができました、
交流会
ワークショップ終了後の交流会では、登壇者と参加者が
なごやかな雰囲気の中で対話が行われました。
ワークショップの内容をさらに深掘りする個別の質問や、
名刺交換を通じたネットワークづくりが行われ、
次なる連携に向けた情報交換の場となりました。
令和6年度
『「清流の国ぎふ」循環経済導入セミナー・ワークショップ』
循環経済の理解を深めていただくため、専門家による講演及び循環経済に取り組んでいる事業者による事例紹介を行うセミナーのほか、循環経済の視点を取り入れた商品や事業アイデアを構想するワークショップを開催しました。
セミナーには企業の担当者を含め30名を超える多くの方々にご来場いただくとともに、ワークショップでは、「サーキュラーエコノミー型の新たな家電」というテーマでアイデア出しをするなど、参加者同士がリラックスした雰囲気で、サーキュラーエコノミー型ビジネスのおもしろさを体感いただきました。
日時
令和6年11月20日(水曜日)13時00分から17時00分
会場
INNOVATOR’S VILLAGE(岐阜市薮田南3丁目7番20号)
内容
セミナー ※ハイブリッド開催
・基調講演(オンライン登壇)
東京大学大学院工学系研究科 人工物工学研究センター価値創成部門
教授 梅田 靖 氏
・実践者講演
アサヒユウアス株式会社 たのしさユニットリーダー 古原 徹 氏
有限会社原野化学工業所 代表取締役 原野 裕 氏
sobolon 創業者 山崎 姫菜子 氏
ワークショップ
「環境・社会課題に配慮したビジネスを展開したい」、「持続可能なビジネスについて考えたい」と考えている皆様と、サーキュラーエコノミーの視点を取り入れた新しい循環配慮設計の商品や事業アイディアを構想。
※実践者講演にご登壇いただいた古原氏、原野氏もアドバイザーとして参加







