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防災航空隊主要装備
防災航空隊では、様々な資機材を使用し救助、消火及び救急活動を実施しています。
ここではその中でも主な資機材を紹介します。
降下員
服装と装備品
降下員は、ホイストでヘリから降下して直接救助活動に従事する隊員で、通常2名一組のバディとして行動します。
その内、リーダーとなる降下員をR1、もう一人をR2と呼びます。
降下員の携行物品(主なもの)
降下員は、上に紹介した装備品の他、現場で必要となる様々な器材を収納したリュックサックを背負って現場に進出します。
救助資機材
サバイバースリング
主として自力歩行可能な要救助者を救助するときに使用します。(中州取り残され、建物屋上や屋根からの救助など)
消防署員を救助活動現場に降下させる場合にも使用します。
エバックハーネス
主に中等症までの遭難者などを救助する場合に使用します。
安定して吊り上げられることが特長で、最も汎用性が高く山岳救助でしばしば使用します。
バーティカルストレッチャー
重傷の傷病者を吊り上げるために使用します。通常は傷病者を水平に吊り上げますが、森林等で立木の隙間が小さい場合は縦に吊る場合もあります。
写真左: ロールして収納袋に収納された状態 右:展開した状態
使用する場合は、吊り上げ中にヘリの吹きおろし(ダウンウォッシュ)による回転を防止するため、降下員の1名が誘導ロープ(介添えロープ)を引っ張って支えます。
誘導ロープは要救助者を機内に収容した後、バーティカルストレッチャーから切り離します。
(最後は地上の降下員が回収)
空中消火用資機材
消火バケット
林野火災に際し、機体の下に吊り下げて水を火点まで運搬するための機材です。若鮎1には容量600リットル、若鮎3には900リットルのものをそれぞれ使用します。構造がシンプルで故障が少なく、展開撤収が迅速に行えるのが特長ですが、機外吊下げを伴うため機動性と飛行動線に制約を受けます。
写真左:収納状態 右:展開した状態 (いずれも若鮎3用の容量900リットルのもの)
消火バケットの底部には蓋が付いていて、「操作索」により開閉ができるようになっているので、機内からの操作で給水と散水が自在にできます。
写真左:蓋を開放した状態 右:蓋を閉鎖した状態
収納袋に入れて機内に搭載して基地を出発し、火災現場付近の臨時離着陸場に着陸します。
臨時離着陸場で消火バケットを展開し機体下部の「カーゴフック」に消火バケットを装着して準備完了!
火災現場付近のダム、湖沼などで給水します。
写真左:若鮎3 右:若鮎1
火点上空でバケット底部の蓋を解放して散水します。
消火タンク
機動性に富み、飛行動線に制約を受けない反面、装着・離脱に時間を要し、また重量もかさむためその分給水量に制約を受けます。
本装置は、若鮎3のみ装着可能です。
水利上空でホバリングし、「ホバーポンプ」を水に浸して揚水します。
火点上空で消火タンク底部の蓋を解放し散水します。
救急搬送用資機材
救急搬送を実施する場合は、機内に「ストレッチャー」を装着します。
写真:若鮎1における救急形態への換装の模様
写真:若鮎1の救急形態(機内にて前方から後方を望む)
写真:若鮎3における救急形態への換装の模様
写真:若鮎3の救急形態