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高橋家住宅[たかはしけじゅうたく]付普請文書
分類 | 重要文化財 |
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指定別 | 県 |
所在地 | 揖斐川町日坂 |
所有者 | 個人所有 |
指定年月日 | 平成2年11月20日 |
高橋家は中世末に日坂に来在したと伝えられている豪族の家柄で、江戸時代を通じて大庄屋を勤めており、大垣藩主戸田氏の視察の際には、この屋敷は藩主宿泊の本陣となっている。建物もさることながら、門塀を備えたその広壮な屋敷構えは、江戸時代の山村の豪農屋敷の形態と景観をよく遺している。また、同家には多くの古文書も残されている。
主屋は東面しており、桁行19.47m、梁間10.95m、妻入[つまいり]、茅葺、入母屋造[いりもやづくり]で、それに対し、桁行14.05m、梁間7.95m、同じく茅葺入母屋造の「書院」が棟を直角にして取り付き、角屋のような形式となっており、その結合部分に玄関が設けられている。玄関は広い式台を備え、唐破風造の銅板葺屋根がかけられているが、以前は柿葺[こけらぶき]であったとみられる。
長屋門は、正門(桁行)23.98m、側面(梁間)3.89m、入母屋造、鉄板葺(当初は瓦葺)、外壁は大壁漆喰塗、腰は簓子下見板張りとなり、与力窓が付く。
土蔵は5棟遺っており、いずれも瓦葺の置屋根構造となっている。
高橋家住宅は、座敷を別棟として具えた格式の高い大型の民家として、この地域では唯一のものであり、建築的質も高く、当初の形態がよく維持されている。