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エイズって何
エイズのこと知ろうよ!
どうしてエイズについて知る必要があるのでしょう。
それは、現在の医学ではエイズを治すことができないからです。でも、正しい知識をもち、適切な行動をとれば予防できる病気だからです。また、人間の自然な営みである、性行為で感染するからです。
1985年以降に報告されたHIV感染者のうち、20歳代、30歳代の人を併せると、全体の約7割を占めます。いろいろなキャンペーンで、エイズ、HIV、コンドームという言葉はあふれているのに、若く、働き盛りの年代の感染が増加しています。性行動が活発な時期と一致する上に、若者の性行動が開放的になってきているからでしょう。
例えば、誰かとセックスをする時、「コンドームを使おうよ。」とあなたから言えますか?多少エイズのことが気になっても、この人なら大丈夫とか、嫌われたくないと思って言い出せないのではありませんか。
今、彼又は彼女は信頼できる、優しい人かもしれません。でも、エイズを発症する前は、まず、本人もウイルスの感染を自覚していません。その人があなたに会う前にセックスをしたことがある相手の中に、自分でも気付かないまま、HIVに感染している人がいなかったといいきれますか?
エイズは、あなたが性行為と無縁でない以上、決して他人ごとではありませんし、知識を持っていても、実際に予防をしなければ、感染する可能性があります。つまり、現在、感染の仕方も予防方法もわかっているのですから、あとはあなた次第です。
あなたが男性でも女性でも、エイズについての情報を自分から知り、セックスについて自分の考えを持ち、主体性をもって行動することが求められているのです。自分のからだは、自分で守るというのが現代の考え方です。
エイズとは何か
エイズの原因はHIV、日本語ではヒト免疫不全ウイルスと呼ばれるウイルスです。
また、エイズは、AcquiredImmunodeficiencySyndromeを略した呼び方で、日本語では「後天性免疫不全症候群」といいます。
私たちの体には、免疫といって、主に、病原体の侵入から体を守る働きが備わっています。エイズの原因ウイルス、HIVが感染した結果、リンパ球などがこわされると、この免疫機能が障害され、体の抵抗力が極端におち、健康な時にはなんでもないような細菌やウイルス、カビなどによる感染症になったりします。あるいは、HIVが直接、脳や神経に関係する症状を起こすこともあります。これらの病気が現れた状態をエイズといいます。
ここで覚えておいてほしいのは、感染イコールエイズではないということです。HIVに感染した後、自覚症状のない、健康そうに見える状態が平均8から10年続きますが、徐々に免疫力が低下し、さまざまな病気を発症し、エイズの状態になります。
HIVに感染してからエイズと診断されるまでの症状については、「エイズの症状と経過」を御参照ください。
エイズの症状と経過
エイズの症状を、感染してからの時間の経過とともに説明しましょう。まず、エイズの原因ウイルス、HIVがうつり、体内にすみついた状態を感染といいます。
HIVに感染すると、数週間後にのどの痛みなど風邪に似た症状がでる人もいますが、ほとんどの場合、気付きません。しかし、体の中では変化が起き、感染後6から8週くらい経過すると、血液中にHIVに対する抗体ができます。エイズの抗体検査とは、このHIV抗体を検出します。
このように、感染していても特別な自覚症状の現れない状態が平均10年くらい続きます。つまり、検査をしなければ感染しているとわからないため、本人も気が付かないまま、他の人にうつしてしまう可能性が非常に高い時期です。
しかし、その間にも体内で変化は起こっており、徐々に免疫力が低下し、次の段階として、エイズ関連症候群という状態になります。全身のリンパ節が腫れたり、発熱、寝汗、下痢、体重減少などの症状が現れてきます。
さらに病状が進行し、体の抵抗力が極端に落ちて、健康な時にはなんでもないような細菌、カビなどによる感染症や、ガン、その他、神経の障害など様々な病気があらわれ、エイズと診断されます。そして、やがて死に至ります。
現在までのところ、エイズの完全な治療薬はありませんが、感染していても、症状が出ていない時から医療機関で治療や指導を受ければ、エイズの発病を遅らせることができます。