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岐阜県の結核の状況
結核について
結核とは
結核は、結核菌という細菌が体の中に入ることによって起こる病気であり、現在でも、全国で毎年1万2千人余りの方が結核にかかり、約2千人の方が亡くなられています。
結核は、早期発見と確実な治療が必要です。
どのような場合に感染するか
結核は、肺結核の患者さんの咳やくしゃみなどによって、空気中に結核菌が飛び散り、その結核菌を吸い込むことにより感染します。
症状
2週間以上長引く咳、長引く微熱、長引く倦怠感、体重減少などの症状が見られます。
「感染成立」と「発病」は異なる
吸い込まれた結核菌が肺の中に定着することを「感染成立」といいます。
感染が成立しても、人への感染性はなく特に悪い影響はありません。
また、感染が成立した人の約15%の割合で半年後から2年のうちに結核菌が体内で増えて菌を排出します。
菌を排出している状態を発病といいます。ときに、過去に結核菌に感染し、肺の中で数十年と眠り、高齢等の影響で免疫力が低下したときに発病する場合もあります。
予防
一般的な予防には、手洗い、うがい、咳エチケットがあります。ほかに、バランスの取れた食事、適度な運動など、免疫力を高めることも大切です。
他方で予防接種法に規定されているBCGワクチンの接種も非常に大切です。
あかちゃんは結核にかかると重症になりやすいいので、生後1歳になる前にBCGワクチンを接種しましょう。
岐阜県の結核の状況
岐阜県の結核新規登録者数(以下、新規登録者数という。)は下記のとおりです。
令和3年は以下のとおりです。
- 新規登録者数196人(前年214人)
- 人口10万人当たり新規登録者数10.1人(全国8.2人)
図1 新登録結核患者数及び罹患率の年次推移
さらに詳細なデータについては、岐阜県の結核の現状(令和4年) [PDFファイル/1.35MB]をご覧ください。
高齢者の結核対策について
近年、結核がかつて国民病であった時代に罹患した方が、潜伏期間を経て、高齢化による免疫力の低下に伴い発病するケースが多く発生しており、岐阜県でも報告される結核患者の約7割が70歳以上の高齢者です。高齢者の方は、各種福祉サービスを利用することも多く、結核患者の発見が遅れてしまうと、患者のご家族や、施設内で感染が広がってしまう可能性があります。
この度、岐阜県では高齢者における結核対策の一環として、「高齢者福祉施設における結核対策マニュアル」を作成しました。本マニュアルでは、結核の特徴、施設内感染予防、結核患者が発生した場合の対応などについて詳しく記載しておりますので、是非ご活用ください。
また、岐阜県では高齢者の結核患者の早期発見を促すことを目的に、毎日の健康チェック付きのチラシを配布しております。こちらも各施設においてご活用ください。
高齢者福祉施設における結核対策マニュアル(第1版) [PDFファイル/2.16MB]
高齢者福祉施設における結核対策マニュアル(概要版) [PDFファイル/442KB]
チラシ「高齢者の結核対策にご協力をお願いします。」 [PDFファイル/365KB]
外国出生者の結核対策について
岐阜県では、訪日外国人や外国人労働者の増加に伴い、外国出生者における結核患者の割合が増加しています。結核を早期に発見し、適切な治療を受けることは、大切な人材である従業員本人のためだけでなく、会社全体を守ることに繋がります。この度、岐阜県における外国出生結核患者の特徴、主要な症状及び早期発見に係る対応ポイントを取りまとめたチラシを作成しましたので、是非ご活用ください。